春日旬『あねとむち』

あねとむち (MFコミックス フラッパーシリーズ)

あねとむち (MFコミックス フラッパーシリーズ)

 弟への愛が暴走するお姉さんは、その教育のために鞭をふるったり、ご褒美のアメをあげてみたり。
 指導を受ける際はメガネで巨乳のおねーさんにぶたれるなんて、そりゃあ「アメとムチ」ではなくて「アメとアメ」である、としか言いようがない。

 大変にバカバカしいお話で「バカだなー」と思いながら軽く読めるギャグ漫画ですが、そのギャグよりも、メガネのおねーちゃんが妙なテンションでおかしなボケ・ツッコミを連発するくだらなさと、そのくだらなさに似ない達者な画というアンバランスさが一番の可笑し味を醸しております。

 こんだけ肉感的で可愛らしいな女の子を出して起きながらこういうくだならい方向に突っ走っているというのは贅沢な作風だなあ、と思ったり。

伊藤潤二『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』

伊藤潤二の猫日記 よん&むー (ワイドKC)

伊藤潤二の猫日記 よん&むー (ワイドKC)

 みんな大好き、伊藤潤二大先生が何と猫漫画を!
 そして猫漫画なのにこれでもか! と溢れる潤二テイストが最高です。

 家で飼うことになった二匹の猫と、それを文字通り猫っかわいがりする潤二先生ご夫妻の様子を描く、ある種の親バカほのぼの猫漫画。
 ――なのですが、画がホラーの時の潤二画のままですので、その描写と内容のギャップが凄まじく、いちいち大笑い必至。いや、これは卑怯ですよ! だって潤二画なんだもの! 素晴らしく「バカ」であることだなあ!
 潤二ファン必読、単に猫好きな人はこれを読んで潤二ワールドに魅了されると良いと思います。

生存報告3

まだ、生きております。――どうもしぶといね

どうにもこうにも忙しかったり、身体のあれこれがあったりで
相変わらず絶賛放置継続中なのですが、あんまりにもあんまりだろう、
というわけで、来週くらいからは簡単な形でも良いから
何とか更新をするようにしたいと思います。
――と、こう宣言しておけばやらざるを得ないであろう。

ところで。
この頃忙しさ故に漫画・雑誌・書籍のまとめ買いをすることが多く
しかも常に「後で読む!」状態なので、重複買いが多数発生してしまって
何とも言えない気分になっております。

最近読んだ漫画。
えーと、芳文社田川ちょこ『ひかるファンファーレ』が可愛らしくて好きなのであります。
まあ、そのうち時間があれば簡易感想でも。

あと、やはり『白球少女』は面白かったなあ、などと。

生存報告2

えぇと、ほんとに放置状態になってしまっていてすいません……。
ここしばらく、間違いなく今までの人生の中で忙しい日々が続いておりまして
漫画読む時間どころか寝る時間もあんまり無いような状況で。そして体調崩してぶっ倒れたりしておりました。

今月末くらいには何とかなるといいなあ、なるんじゃないかな、ま、ちょっとは覚悟しておけ
と、そんな感じですので、通常モードになるまでもう少しかかりそうです。

その先日ぶっ倒れた際に少しだけ漫画読めました。
ベントラーベントラー』はやっぱり好きだなあ、とか『ヒストリエ』は最高に素晴らしいな、とか
へうげもの』は只でさえ面白いのに次の巻ではあの宗匠無双が来るのか、とか。
もう感想書きたい作品でいっぱいですよ!

あと雑誌は今「リュウ」と「シリウス」が面白いと思うのですが最新号をともに読めておりません。
うぎゃー。

そんな感じで一つご容赦を。言い訳ばかりですんません、ほんと。

生存報告

 えーと、すいません、生きております。むしろ生きててすいません。

 なんやかやと雑事に追われる日々が続いており、感想を書きたい漫画は山ほど出いるものの、そもそもそれを読めていないという。
 も少しこの忙しげな日々が続くので、更新が滞りがちになるものと思われます。
 まぁ、何とかしますので、もし見てくれている方がいらっしゃるならそんな感じで一つよろしくお願いします。

「コミックビーム」09年3月号

コミックビーム 2009年 03月号 [雑誌]

コミックビーム 2009年 03月号 [雑誌]

唐沢なをき「まんが極道」第35話:ゲッタウェイ

 締切をめぐる懊悩と逃亡。案外優しい編集さんだなあ、と思ったりもしますが、最も自分を苛むのは自分自身であったという。しかしまあ、そんだけ大変でも喉元過ぎれば熱さを忘れるにも程がある業の深さよ。

タイム涼介アベックパンチ」第26話:丸い密室

 絆を強め着実に前に進んでいくイサキ・メバル組に対して、微妙にやさぐれているヒラマサ。でも、おかみの娘と何かありそうな予感――がしないでもなく。
 今回のイサキのモノローグは、きちんと彼が拠るべき物を持った上で、別れを自分と相手のものとして見ている、そんな明るさがあって大変に良かったなあ、と。

市橋俊介「敗北DNA」第64敗目

 賞味期限の話、この感覚はものすごくよく分かる! いや、幸いな事に私は中ったことは一回もありませんが。これから先も食べ物の力を信じていこうと思います。

安永知澄「ステップ・バイ・ステップ」#16:沢をのぼる

 今回で最終回。すごく実験的な作品群だったと思うのですが、観念的なエピソードが多くて分かりづらかった印象が強く。
個人的には「やさしいからだ」のような瑞々しい感性と描写をまた見たいなあ、と。

「fellows!」第3号

Fellows! 2009-FEBRUARY volume 3 (BEAM COMIX)

Fellows! 2009-FEBRUARY volume 3 (BEAM COMIX)

福島聡「ロングロングアゴー」其の一:ゴーゴーガール!

 帯の惹句とか、最後に分かった女性の名前とかから見て「八福神」の最終回後の話と見ていいんでしょうね。ちょっとアホの子で無闇に行動力があって表情豊かなヒロインが楽しくて、彼女がどう物語を引っ張っていってくれるか楽しみ。「八福神」と地続きでも結構明るい感じで行くのかしら?
 しかし「八福神」みたいにかっちり構成された話は、連載や単行本ペースで読んでいるとどうしても細部を忘れてしまうので、10巻発売後にもいちどきちんと読み直さないとなー、と思いました。

長野香子「ノラ猫の恋」第2話:自分の心に正直に

 ブランチさん(本名:清)がとてもいいキャラだなあ。お父さんは彼と一体どんな関係なのでしょうか。そしてもう一人お父さんを捜す会社の後輩登場で、それぞれ事情も立場も異なる3人が共同生活、といった感じに。お父さんは一体何しているのか、そして3人はどう関わり合っていくのか、興味津々。
 あと、食事のシーンの描写がとても素敵でした。

森薫乙嫁語り」第三話:騎行

 年増扱いされちゃうアミルさんと、それをきちん気遣いできるカルルク。いやー、愛ある夫婦ですなー。そんないい関係ではありますが、カルルク的には歳の差故忸怩たるものがあるようで、その辺の機微がまた巧いなあ、と。

百名哲「演劇部5分前」第1話:鬼っ子演劇部

 待ってました! の百名先生新連載。お荷物的存在の演劇部に集う部員達の青春をギャグを交えつつ描く、といった感じになっていくんでしょうか。卒業を前にして、ダメながらもかけがえのない居場所と仲間。しっとりとした空気を孕みながらも女の子達のおバカっぷりが台無しにしてしまうのでした。これからどうなる。

入江亜季乱と灰色の世界」第2話:静帰る

 お母様ご帰還。本人も色っぽい素敵な方ですが、使う魔法も大変華やか。しかしなかなかに天然なお方のようで。乱もお母さんのような魔法が使えるみたいですが、靴の魔法はそれとはまたちょっと異質な感じ。
 魔法使いがどういう風に扱われる世界なのか、ちょっとづつ描かれてきていて、そこに絡んでドラマがどう展開していくのかしら。

鈴木健也「蝋燭姫」第3話

 フルゥの姫様へ敬慕というか忠誠心はまるで子犬のそれであることだなあ。フルゥの空回り気味の奮闘っぷりと、姫様の物静かさの対比がユーモラスですが、でも二人の間の信頼関係は増したようで良かったなあ。

八十八良「早春賦」第3話:清

 大人の分別を身につけた新郎新婦と、大人の手前にいる千代子と拓。でもそれぞれに自分の思いに区切りを付けて臨んだハレの日の一幕。しかしまあ、女性は強いなあ。

木静謙二「奉姫」(読切)

 辺境の交易都市に身を置姫様は、剛胆且つ聡明且つ超の付く健啖家。英雄の風ある彼女が密売商人とをあしらい、人食いの「神」退治し、自分の胃袋を満たす様はなかなかに爽快。でもちょっとコマ運びで時系列が細かく前後してちょっと戸惑ってしまったり。

明仁「彼女と彼」第3話:貴方と会った私

 あら、この3話でお終いなのですわね。すごく好きだったので残念。喫茶店のスタッフとか色々面白そうなキャラ揃っていたのになー。1回目と対象を為すような、でもやっぱり偶然の出逢いでの締め。運命ですなあ、と思いつつもショートなら好みなのか、という気もしないでもなく。
 次回作もとても期待しております。

久慈光久「ヴォルフスムント」第1話:リーゼとゲオルグ

 掲載作品の中で今回一番良い意味で裏切られた作品。
 少女と騎士の逃避行、愛のお話かと思いきや、思いっきりエグく救いのない展開に。積み重ねて積み重ねて、どーんと崩してしまいました。こっち側が主役だったのか! 次回以降、どんな人物が出て来て、どうなってしまうのか。ものすごく気になります。


fellows!」、掲載作品もどんどん増えて、感想書くのも大変ですが、それはそれで嬉しい限り。次号はこれまた待望の宮田紘次先生の新連載開始ということで見逃せません。『ききみみ図鑑』の単行本は出ないのかなー。