カトウコトノ『将国のアルタイル』4巻

将国のアルタイル(4) (シリウスKC)

将国のアルタイル(4) (シリウスKC)

 ポイニキア陥落後、その同盟国であるヴェネディックに対して援軍を送らなかった事を問い詰めるマフムート。しかし、彼の言葉は国家の存続と利益を冷静に判断する元首に否定されるのでありました――。

 青い、青いよ! マフムート!
 しかし、そんな彼がその理想から来る青さを自覚した上で、現実的な手段を取れるように成長していくのがやはり魅力的。彼の世界と才が大きくなっていく様にはワクワクと気持ちよさがあります。
 人たらしの才も覚醒しはじめたマフムート次なる活躍に大期待。

 そしてこの4巻には作者のデビュー作である「アナスタシアの親衛隊」も収録。逃亡する皇女アナスタシアを護る最後の一人となった親衛隊と皇女の交流を描いた64Pの短編。ちょっとビターだけれどほの暖かいこちらも作者の力量を感じる良作であります。