「ウルトラジャンプ」2007年2月号

 「皇国の守護者」は今月も休載。うーん。

諸星大二郎「未来歳時記 百鬼夜行」。
 バイオテロで荒廃した未来。荒れ地からお化けの行列がやってくるという噂を確かめに行った少年は実際にその百鬼夜行を目にし、同じく噂を確かめた少女と出会う。少女はそのお化けはバイオテロを受けた人間達の子孫で、他の動物の遺伝子が入ってしまうのだという。そして自分たちが人間の姿をしているのは、薬の力で発現しないように抑え付けているに過ぎないと語る――
 砂上の楼閣の文明社会と、そこから離れようとする異形達。子供達は本質的な部分でその文明の虚構性を感じ、そこから離れようとしていく。どこか哀しい調子を帯びて語られる諸星SFワールド。
 それにしてもなぜ「UJ」に諸星大二郎。いや、個人的には嬉しいんですが、UJの読者層から離れているよなあ、と。

神木啓「ヴァンピール」第12回21世紀ウルトラ漫画賞奨励賞受賞作、だそうで。
 洋館に住む女吸血鬼の元に、グールに襲われた村を助けて欲しいと願い出たシスター。グール退治に女吸血鬼と人狼執事は出かけるが――。
 冒頭を読んだだけでストーリーの予想が付いてしまって、実際その通りに鳴ってしまう辺りは、お約束を狙ってやっているにしてもちょっと勿体ないなあ。「HELLSING」の影響を受けてるなあ、という印象。というか、そう思われても仕方ない描写の仕方が。
 でも、ちょっと荒いけど力強い線は魅力的。

 今月こそは「皇国の守護者」を読めると思ったんだけどなあ。うーん。