高橋慶太郎『ヨルムンガンド』2巻
両親や友人を殺した武器を激しく憎む少年兵のヨナと、私設部隊の一員として彼を迎え入れた武器商人の少女・ココ。戦火の臭いを嗅ぎつけて世界を渡り歩く彼らの旅を描く。
銃撃を音楽になぞらえる殺し屋コンビ「オーケストラ」との戦いをメインに描くこの2巻。猪突猛進型の大男「師匠」と、彼に密かな想いを寄せ火気管制役を務める少女・チナツ。
一目を憚らず街中で銃撃戦を開始するオーケストラと、逃れようとするココ達の攻防戦。
音楽を口にする割には暴力的な師匠と、屈託なく殺しを行うチナツのコンビとココのやり取りが楽しい。
また、
「この小隊は『殺し合い』なんかやらない。
やるとしたら一方的な『殺し』。」
とヨナに教え諭すレームの言葉が、死と隣り合わせのビジネスに生きる者達のハードな世界観を端的に示しております。そういうハードな世界に生きる者達を描きながら、世の中をシビアに達観しつつも人なつこいココ、そのココ萌えのバルメなどの魅力的で面白みのあるキャラ達が物語に華とユーモアを添えております。
しかし、「パンツ穿いていない」で引っ張ったチナツですが、その理由を知ってしまうと大変に切ないですなあ。
- 作者: 高橋慶太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/04/19
- メディア: コミック
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