竹村雪秀『TAKE ON ME2』

1巻の刊行から3年、眼鏡の大女・大野さんと小柄な津田君との物語がようやっと決着。長いこと待っただけに収録ページ数もえらいことになっております。298ページ、3センチ近い厚さに。


 肉欲に溺れて、貪る様に互いの躰を求め合う大野さんと津田君。しかし、いつの間にか肉体優先の関係に疑問と不安を感じる様になり――

 と、とことん肉欲を追求していた二人が互いの心の繋がりを再確認する物語となっております。ラストエピソードの屋上で展開される、攻守が次々に入れ替わってぐちゃぐちゃのドロドロでがっつんがっつんやりまくる二人の描写と、その後のあまりにも爽やかな仕上げがちょっと凄い。
 それまでは濃い描写をしながらも、どこかドライな印象がありましたが、そこに恋愛感情を確認し合った二人の心の交流が加わって、激しく濃く、そして暖かくて潤いある描写に。6年間の連載の全てがこの場面に集約されております。

 メインとなる二人の関係以外では大野さんのお姉さん・恵と、双子のプレイに注目。年上の女性(体は小さいですけど)が、尽きること無い精力を持つ双子にひたすら無邪気に犯し尽くされて陥落してしまう様が大変にエロくて素晴らしい。
 しかもその双子が女装していたりと倒錯度が高いのも一つのポイントでしょうか。

 ボリュームも凄いですが、それ以上に内容・描写の濃さでも一読の価値あり。

TAKE ON ME 2 (メガストアコミックスシリーズ No. 143)

TAKE ON ME 2 (メガストアコミックスシリーズ No. 143)