kashmir『○本の住人』2巻
- 作者: kashmir
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2007/11/27
- メディア: コミック
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うーむ、やっぱりこのセンスは素晴らしい。
濃くてマニアックなガジェットを盛り込みつつも、それをさらりと流すセンスも素敵ですが、ちーちゃんの脳が常人のそれとは違う回路で駆動しているとしか思えない突拍子も無い言動が特に素晴らしい。
『百合星人ナオコさん』のナオコさんもそうですが、脳の回路がカッ飛んだキャラクターがその場に発生させるカオス。
起・承・転・結、ではなくて起・承・混・沌、といった感じがたまりません。似たセンスの作品を探せ、と言われて恐らく見つからないであろう無二の感覚であります。
どこか浮世離れした妙なテンションで迫るおたく系ダメ人間の兄(童話作家)にかき回される妹のりこの日常。それを一層カオスにたたき込むちーちゃんを筆頭とした奇人達。1巻の頃は翻弄され続けだったのりこも、この2巻では慣れたのか強くなったのか結構平静に受け止めて流したりツッコんだり。1巻の帯で「兄が変だ」とありましたがこの2巻の帯は「私も変かも。」ああ、徐々にのりこは侵食されているようです。
全編に満ちた余人には出せないこの独特のテイスト。とんでもないものをさらりと流し続けるこのカオス。類い希なる言語センス。いやー、クセになります。ステキです。