「コミックビーム」08年1月号

福島聡機動旅団八福神」第四十一話:鵺ノ鳴ク夜 前編

 京都での核爆弾爆発以降、俄然面白さが増しています。福神部隊の物語から一旦ばらばらになって、今度は物語を構成する世界が段々とはっきりしてくる様子とか。単行本として完結したら通しで感想書きたいなあ。

福島聡「鵺の砦」

 軽井沢で孤独な生活を送っている男と、そこにやってきた少女二人。他人を容れず脳味噌で生きている男と、弱く見えてもしたたかな女と、さらに食えない女の物語。ウソを語りながらホントを語る少女と、上から見ている様で飲み込まれている男。うーん、脳味噌だけで生きる男はやはり斯くも滑稽であることだなあ。

森薫「エマ 番外篇」第十七話:新しい時代

 いよいよラストエピソード。エマとウィリアムのその後のお話。
 ヴィクトリア朝が終わり、新しい時代の始まりの中で新しい人生の門出を迎える人々。過ぎゆく古き良き時代への追憶と、これから迎える新しい時代への希望と不安。二つの時代の狭間の空気がすごく心地よくて、どこか寂しく、どこか賑やかで。すごく良いエンディングを迎えそうな空気がひしと。

タイム涼介アベックパンチ」第12話:永遠3分。

 練習試合の最中に初恋覚醒したヒラマサ。こんなにねじれた形で描かれる純愛物語は見たことがありません。ヒラマサの初恋は彼一体何をもたらすのか。にいやー、すごい。面白い。
 

入江亜季群青学舎」第十七話:雪降り積もる

 古いアパートに集ってわいわいと鍋を囲む学生時代からの女友達4人。ただそれだけの話を一本の電話と絡めて、喧噪と明るさの裏にある切なさをこれだけ情感たっぷりに描いてしまうとは一体どれだけ凄いんだ入江亜季。いやもう、毎回毎回感心させられてばかりです。