上田夢人『アイドルマスター relations』

 「コミックREX」で連載中の、ゲーム「アイドルマスター」のコミカライズ。
 トップアイドルを目指して努力をする、まだアイドルになりたての少女・星井美希と彼女のプロデューサー、そしてともにその頂点を目指す少女達の姿を描いております。

 まだ未熟ながら明るく前向きで「笑顔の天才」というキャッチを持つ美希と、圧倒的な歌唱力を持ち、アイドル達の頂点に立ちながら、心に絶望を抱えた「笑顔のないアイドル」と呼ばれる千早。陽と陰のはっきりとした対をなすこの二人の関係を軸に、数多くのアイドル候補生達が絡まって物語は展開。
 美希が所属していたグループが解散させられることになり、元の仲間が同じ頂点を目指して競い合うライバルになるという、女の子同士の競争あり、友情ありのドラマ性も持たせております。
 それぞれ個性的な仲間に加えて、アイドルなんて下らないということを証明するために頂点を目指すグループ・魔王エンジェルや、ステージの大きさは問題ではなく、必要としてくれる人たちのために歌うという美心といったロジックの異なるライバル達も登場し、真のアイドルとは何か、自分とファンとの間の関係をどうしたいのか、を問いかけながら美希とプロデューサーは自分たちのアイドル道を歩むことに。


 ヒロイン達にライバル達、プロデューサー達など、1巻の時点で非常に多くのキャラが登場して非常に絵的に華やかではあるのですが、あまり掘り下げがされていないキャラも多いのはちょっと勿体ないような感じも。キャラの性格・設定などはゲームで既に折り込み済みだから、ということなのかもしれませんが。
 ゲームのヒロイン達よりも魔王エンジェルや美心の方が深く掘り下げられていることを考えるときっとそうなのでしょう。

 ちなみに、私は概略を知っているだけでゲーム未プレイですが、キャラが一度に沢山出てきても混乱する様なことはありませんでした。
 ルックスも性格も皆個性的だからでしょうか。とにかく、そういう個性豊かで可愛らしいキャラが美麗な絵で描かれているのは大変華やかで良いですなあ。