冬目景『幻影博覧会』2巻
大正時代の東京を舞台にしたミステリ漫画。
実家を飛び出して探偵稼業をしている松之宮と、その助手真夜。帝都で起こる事件に関わるうちに、未来の出来事を識っているらしい言動を時折見せる真夜。彼女は一体何者であるのか――
んー、短い尺の中に色々詰め込みすぎて、一つの事件がちょっとせわしない感じで、ミステリとしての緻密さとか事件解決のサプライズやカタルシスを求めて読むとだいぶ肩すかしを食らう感じではあります。
1巻から示されている真夜の「未来の事をなぜか識っている」という謎も、ほとんど進展のないまま引っ張られているのも些か退屈を招いている感が否めず。
しかしまあ、それらを押さえ込んでしまうほど、冬目景の画が生み出す雰囲気というのは魅力的。
洋装・和装が微妙に調和しているこの時代の、冬目景描くキャラクター達を愛でるのが正しい読み方なのかも知れません。
それにしても松之宮君のボンクラ探偵っぷりがステキ。何も解決していないじゃないかお前! という。
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