「コミックビーム」07年8月号
入江亜季「群青学舎」
都と春日の物語第三弾。会社の同僚と酒を飲みながら、彼女と別れる! とくだを巻く春日。
何が原因なのかというと――やあ、何とも二人らしいやりとりで。しかしまあ、春日が怒るのは無理からぬ話ですな。
なんだかんだいって大変にお熱い二人なのでありました。
タイム涼介「アベックパンチ」
「アベックパンチ」の大会に参加するため、それぞれパートナーを探すイサキとヒラマサ。
しかし、当然この二人(特にヒラマサ)に女が出来るハズもなく……
社会のルールの埒外で生きてきた二人がルールの定められたスポーツの世界に飛び込もうとする時、色々と摩擦はあるようで。
そして、たらい回された先のジムで出会ったのは意外な人物。
8月には単行本が未刊行だった「あしたの弱音」と併せてコミックスが発売の模様。楽しみです。
森薫「エマ 番外編」
今回は本編第23話でエレノアとウィリアムが観ていたオペラの役者達が主役のエピソード。
ジョージ、ルイーズ、アレン、ともに舞台に上がる3人だが、他の二人より少し知名度が劣るアレン。パトロンとの付き合いやら何やらで色々と大変な様子の彼ですが、ルイーズに恋心を秘めている模様。自分の立場とか色々と思案をしつつ、この舞台が終わったら想いを伝えようと決心して――続く。
人物の心理描写もさることながら、劇場の描写など、背景や小物の描写も相変わらずすごいですなあ。
中島あつき「出前に、きました」
読み切り。実家の中華料理屋の手伝いで出前をする少年。届け先は同級生の女の子の家で、そこで見かけたお姉さんにドキドキしてしまって……というお話。
お風呂上がりのお姉さんの姿が色っぽいですね。妹にバスタオルをはぎ取られてしゃがんだ際に強調されるパンツの描写が艶めかしい。そのパンツに心奪われてしまった少年は、嫌々やっていた出前を自分から志願するように。そして、再び訪れたその部屋で……微妙に甘酸っぱくてそれでいて淫靡でちょっとフェティシズムが感じられるお話。
「鮮紅街」の頃より絵柄的にもネタ的にもだいぶとっつきやすくなった印象。
今月号は中島あつき「出前に、きました」が印象に残った感じであります。
短編集とか出してくれないかしら。
来月からは「大帝の剣」が連載とのこと。
てっきりあの休載のまま有耶無耶になるとばかり思っていたので意外。
もうちょっと話が動いてくれないと何とも……。
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