野上武志『セーラー服と重戦車』1巻

セーラー服と重戦車 1 (チャンピオンREDコミックス)

　美少女が嫌いな男――というのはまず居りますまい。
　戦車が嫌いな男、というのもまあ少ないでしょう。
　寧ろ、戦のための機能美に満ちた鉄の塊、というのはオトコの浪漫とでも云うべきものではないでしょうか。

　そんな美少女＆戦車という男が好きなモノの盛り合わせにした「オトコのお子様ランチ」的な華やかで楽しいな一作。「チャンピオンREDいちご」連載中。うーん、実に「らしい」作品であります。

　パンターFを駆り、関東最強の戦車乗りを目指す女子中学生・島田かのんと、その友人の戦車同好会の面々。戦車愛溢れる彼女達のバトルが描かれておりますが、「戦車」で「戦い」といっても生き死にを伴った戦争のソレではなく、「同好会」の名前からも分かる様に部活動的、スポーツ的な競い合う青春の一場面として描かれております。
　戦車と美少女、アンバランスでありながら、男であれば心くすぐられる組み合わせの中で、お色気を多分に含みつつドンパチが繰り広げられる様子は難しいこと無くひたすら明るく楽しく、エロティックに。

　女子中学生が戦車でやってくる、というおバカでありながら魅力的な取り合わせをホントに漫画にしてしまっているその姿勢を受け入れられたら後は楽しむだけであります。栄養のバランスとか考えずに好きなものばっかり盛り合わせたメニューも潔くていいなあ、と思うのです。