小宮裕太『SWEET THANG』

SWEET THANG (ホットミルクコミックス 258)

SWEET THANG (ホットミルクコミックス 258)

 おっとりタイプの紫夜とツンデレ系の綺耶、タイプの異なる二人の姉とその弟の三角関係を描いた「あねのね。」と、その後日譚「あねのね。2」

 未亡人の義姉と彼女に告白した弟の愛の交歓を描いた「WIFE GOES ON」

 少女になった蝉との一夏の愛を描く「蝉」

 家政婦として家にやってきたのは憧れのクラスメイト。その彼女との恋の始まりから愛が深まっていく様を描く「スウィート ホーム」「バック トゥ スクール」「ザットシング ユードゥ」

 以上「ばんがいち」に掲載されていた作品を収録した著者初の単行本。

 角川系のコミック誌や、萌え系のライトノベルのイラストを飾っていても違和感が無い様なかわいい系の絵柄で、ラブ度がかなり高めのエロを描いております。

 直接血のつながりは無いものの血族間でのSEXを描く話もありますが、タブーに触れる暗さ、背徳感というものは前面に押し出されず、どちらかというと関係が近かったのにその愛を表に出せなかった者同士が、想いの果てに結ばれる、という恋愛要素の方が強め。全体的に可愛らしくて愛あるエッチ中心。愛あるノーマルプレイオンリーであります。

 エロ度は低めなのではありますが、このかわいい絵柄で女の子が頬を朱に染めながら喘いでいる様を密着度高めで描いているのが艶めかしい。エロ、というよりはやっぱり「エッチ」といった方がしっくりくる可愛らしさです。

 激しいエロスやマニアックさを求める人には間違ってもお勧めしませんが、かわいい女の子に萌えたい! エロには愛が必要なんだ! という純愛派には非常にポイントの高い一冊と言えましょう。