綱島志朗『オリハルコン・レイカル』1巻

オリハルコン・レイカル v.1 (角川コミックス ドラゴンJr. 120-1)

オリハルコン・レイカル v.1 (角川コミックス ドラゴンJr. 120-1)

 フィギュア造りが趣味の主人公。大学の講師から貰ったパテで少女のフィギュアを作るとなんと動き、しゃべり出したのだった。彼女は自らを物質生命体「オリハルコン」と名乗り、自分を作ってくれた主人公の勝利のために戦うと言い出すが―――
 様々な謎とトラブルに巻き込まれながら、主人公・作木光明と、レイカルと名付けられたオリハルコンとの奇妙な生活のはじまりはじまり。

 オリハルコンを手に入れたものの戦いが嫌いでその使い方に疑問を持つ光明と、本来であれば様々な能力を備えているはずなのに、その力を使うことができないレイカル。ちょっと頼りなげでイレギュラーな二人が様々な出会いやバトルを経て、信頼と自分たちの出会った理由、進むべき道を見つけて行く物語。
 こんな二人がどのような成長を遂げていくか、といった先の展開の他に、光明がオリハルコンを手に入れた理由や、レイカルが能力を制限されているわけ、そしてそもそもオリハルコンとは何なのか、という謎が物語の牽引力として働いていてちょっと先が楽しみです。

 そして、お色気も含みながら展開するアクションシーンも見所。スマートな線で描かれたオリハルコン達は立っているだけでもかっこよくて可愛らしいですが、ポーズのキマったアクションがその魅力を一層引き立てます。別にサービスシーンでなくとも、しなやかな手足に色気を感じてしまいます。 

 そして、ちょっとポンコツなレイカルのキャラはなかなか可愛らしいなあ、と。光明に放っておかれていじけながらムカデ(!)を囓っている姿とか。