コーヒーあふれるFRの奥に「ヒャッコ」の源流を見た!

 昨日申しましたとおり、雑誌バックナンバーが大量に手に入りまして、ある程度資料ができましたのでもう一回カトウハルアキ作品についてお話を。今回は私にしては珍しく画像を使用した形で。

 画像が結構あって環境によっては重いかもしれないので、格納しておきます。


 現在FlexComixブラッド連載中の「ヒャッコ」ですが、その前身と言える作品がありました。「月刊少年ブラッド」06年6月号に読み切りとして掲載された「ホワイトタイガー」がそれです。
 もうキャラの外見も性格もほぼ「ヒャッコ」に近い形で完成されていて


 虎子は騒がしくてトラブルメーカーですし



 龍姫の言葉は虎子にスルーされるのが確立しておりますし



 雀は独自の世界を作っておりますし



 歩巳は既に流され系受難体質ですし。


 強いて違いを探すなら龍姫が虎子の事を「虎子!」と呼び捨てにしているくらいでしょうか。*1
 「ヒャッコ」の1エピソードとして挿入されていても全く違和感の無い話です。

 でもまあ、「Webブラッド」での「ヒャッコ」連載開始が06年の7月からですから、時期から見て当然と言えば当然なのですが。連載前の最後の調整的な意味もあった読み切り作品と言うべき位置づけでしょうか。単行本に収録して欲しいなあ、と思っております。


 とまあ、ここまでは前置きみたいなもので。「ブラッド」のバックナンバーは今回手に入れたものではなく。創刊直後の雑誌なのでこちらは「記念」として持っている人もそれなりにいるのではないかと思います。


 で。
 先日言及しました、「とらだよ。」のインタビューの中で「ヒャッコ」のキャラクターについての質問に

 元々はファンタジー、それも現代ではなく西洋ファンタジーな漫画で考えて作っていたキャラなんです。

 との答えがありました。

 それを受けて2chカトウハルアキスレの中で

22 名前:名無しんぼ@お腹いっぱい[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 19:30:02 ID:3fCZQr/v0
発掘してきたよ
これがヒャッコの前身だ!!

 と上の画像が貼られた事がありました。
 確かに4人組でそれぞれ左から歩巳、雀、龍姫、虎子と言われれば確かにそんな感じ。龍姫の印象がちょっと違いますが、方向性としては確かにあの4人。

 で、今回手にいれたバックナンバーというのはカトウハルアキ氏が投稿していた(している)「ファンロード」。
 上のイラストがいつ頃のものなのか分かれば、もしくは他に何か今の作品に繋がるモノはないかなあ、と思って過去数年分を一気に入手してみました。

 結論から申しますと、上のイラストはちょうど入手出来なかった号に掲載されていたものなのか、見つけることは出来なかったのですが、ソレとは別にいくつか「ヒャッコ」に繋がりがありそうなイラストがあったので紹介を。
(08/02/09追記:上のイラストは大都社刊「コミックイラストロジー2005」に収録。発行日は05年1月8日との記載があるので、下のイラストとほぼ同時期に書かれたものと思われます)

 まずは04年11月号から。

 これも上掲のイラストと同じ4人を描いておりますね。龍姫(仮)が煙草に手を伸ばしていたり、雀が今よりイノセントな感じだったり。

 そして04年12月号。

 4人のうちから歩巳(仮)。僧侶タイプのキャラだったのでしょうか。

 今度は06年8月号から。


 もう「ヒャッコ」の連載が始まっている頃ですね。ちょっと普段の服装とは異なる4人(仮)の姿が。虎子が銃を持っていたり、雀がちょっと雰囲気が違ったりとヒャッコの4人のアナザーバージョン、と言ったところでしょうか。04年の4人とは龍姫も含めてかなり違う感じです。

 というわけで、「ファンロード」に投稿されていたイラストからヒャッコの源流を垣間見てみたワケですが、04年の時点で既にキャラはだいたいできあがっていたようですね。勿論、ヒャッコの4人に似ているイラストがあるのみで解説等があるわけではないので「ヒャッコのオリジナルはコレ」だ! と言えはしないのですが、少なくとも4人のタイプが異なる女の子が主人公の話は先生の頭の中に前々からあったのだけは間違いないようです。

 歯抜けのバックナンバーを手にいれる事が出来たら上掲のイラストがいつ頃のものなのか、他にも何か無いかなど調べたいと思います。イラストのタッチから言って今回紹介したものより前かもしれません。もしご存知の方がいらしたら教えて下さい。
 また、「ヒャッコ」以前の作品についても興味深いイラストが何点もありましたので、機会があればまた言及してみたいと思います。

 ちなみに、現在「ファンロード」では08年1月号から「真田くんと幸村さん」という新作が連載中。ただ、月2ページのみなので単行本にならない可能性が高いと思うのでファンは押さえておくのも良いのではないでしょうか。私はローディストというわけではありませんが、この連載のために毎月買うことにしました。先生は今なお時々投稿されてるようですし、それを見るためだけでもまあ、いいかな、と。

 ちなみに、こんな感じ。

 ぽやんとした小悪魔、幸村さんに完敗で乾杯!

*1:ヒャッコ」では「虎子さん」とさん付け