「コミックヴァルキリー」08年3月号

 今号は宇河弘樹先生の読み切りが載っている、ということで久々に購入してみました。久々に読んだヴァルキリーはエロ要素がちょっと薄まって女の子のバトルを核としつつ、ギャグあり、シリアスあり、明るい作品ありと掲載作の方向性にバラエティが増えた印象でした。しかし、この雑誌から実写映像化作品が出るとは。

宇河弘樹「炎情の猫三味線」

 男のために組織を足抜けした元必殺稼業・盲の琵琶使い。彼女の元に組織からの追っ手が差し向けられるが――

 猫娘VS猫娘、二人で一人の元パートナー同士の激しいバトル。男に走った女を許せないかつてのパートナーと、男を殺され得物を琵琶から男の皮で作った三味線に持ち替えた女。幼い頃の思い出が時折よぎりながら、愛憎相半ばする激情をぶつけ合う二人。
 タイトなスーツで三味線使いというアンバランスさに、銃弾が、撥が飛び交い、刃が唸り、弦が震えるケレン味たっぷりのバトル。しかも盲同士。
 格好良くて、しっとりとした恋情にどこか背徳的な雰囲気が漂う短編であります。

 ちなみに、「ヴァルキリー」公式サイトでちょっとだけ立ち読みができるようですよ。
 →コミックヴァルキリー作品紹介ページ