もりやまつる『GOLD DASH』2巻

GOLD DASH(2) (イブニングKC)

GOLD DASH(2) (イブニングKC)

 昼間は鳶、夜はキャバ嬢だった女性が、その走りの才能を見出されて北京オリンピックを目指す!

 ――というスポーツサクセスストーリーではあるのですが、威勢のいい主人公・蘭と、もりやまつる先生の画力によって、異様な迫力と妙なユーモアがにじむお話になっております。

 やる気と才能は素晴らしいものを持っている蘭。しかし、それはまだ磨かれていないダイヤの原石とでも言うべきモノで完成にはほど遠い状態。それを磨いていくトレーナーの嵐とともに二人三脚で北京への道のりを走っていきます。

 ケバい蘭とムサい嵐の絵面と、それぞれのキャラクターの強烈さがとにかくスゴイ。男前過ぎる蘭の行動・気っぷの良さ、ムサくてゴツいのに妙にお茶目でキュートな嵐。掛け合いもいちいち面白くて飽きないコンビであります。マネージャーになった蘭のオヤジさんのこすっからさ、小人っぽさもたまりません。もりやまつる先生の描くオヤジキャラは本当に魅力的。

 1巻ではキャバ嬢を辞めてトレーナーの嵐とともにマラソンを志すことになった蘭。初参加の大会で、途中までは女子日本記録となる走りを見せますが、途中でリタイアしてしまいます。
 しかし、その激走は注目を呼んで、一躍時の人に。その中でかつて蘭が勤めていたキャバクラの社長が自分の店の広告塔として、蘭に店に出てくれるように交渉。借金を返すためにそれに応じる蘭。

 おお、1巻で切り捨てたと思われた「キャバ嬢でマラソンランナー」というインパクトのある設定がここで再び甦りました。

 初心者からマラソンランナーとしてトップを目指す蘭と、彼女をイメージキャラとしてレジャー企業としての躍進を目指す社長、二つの「GOLD DASH」がここに今スタート!

 強烈なインパクト、イキの良いキャラ達、そしてスポーツものの醍醐味と様々な魅力が詰まった本作。
 実際の北京五輪までにどうなるかも注目であります。


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