渡辺航『まじもじるるも』1巻
- 作者: 渡辺航
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: コミック
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呼び出した魔女っ娘・るるもから何でも願いを叶える魔法のチケットをもらった主人公・柴木。最初はそのチケットを使って好きなコトをやっておりましたが、何とそのチケットは使うたびに彼の命を消費していたのでありました―――。
柴木との出会いに伴う事件のせいで、罰として魔力を失ってしまったるるも。魔法のチケットを柴木に使い切らせることが彼女に課せられた使命。しかし、チケットと柴木の命の関係は知らされておりません。
柴木の方は自分のせいでるるもが罰を受けているのを知っており、何とか彼女のために力になってやりたいと思っているもの、チケットを使うと柴木の命が削れてしまうワケで……と、死に繋がるちょっと重い設定とそれに関わるジレンマを抱えながらもドタバタと楽しげに物語は展開していきます。
命がかかっているというのに、欲望に負けてチケットを使ってしまったりもするスケベでおバカな柴木君ですが、るるもが困っている時には文字通り自らの命を削って助けてやるナイスガイ。
無口で不器用で、一見感情の起伏が無いように見えるるるもですが、自分のことよりも柴木の幸せを優先させる健気さや、時折ぽろりと洩らす本音が大変に女の子らしくて可愛らしい。
二人とも不器用で普段は表に出していないし、微妙に通じ合ってもいないけれども、互いが大切にし合っている関係、というのが実に微笑ましくてくすぐったくて。この二人がどうなっていくのか今後が大変に楽しみです。
魔法少女モノですと、魔女っ娘がその力を使って活躍したり、トラブルメーカーになったりと、物語に能動的に働きかけるものが多いですが、るるもは力を封じられていて自分の意志では魔法が使えず、むしろ柴木によって護られる受動的なヒロインの立場に。この辺の設定の転換が面白くもあり、守りたくなるヒロインとしてるるもの魅力にバッチリはまっておりますし、彼女のために頑張る柴木のかっこよさ、その行動の気持ちよさは、まさに少年ヒーローの王道のそれであります。
るるもの可愛らしさは柴木ならずとも守ってあげたくなること間違いなし!