古賀亮一『電撃テンジカーズ』1巻
- 作者: 古賀亮一
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2008/02/01
- メディア: コミック
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古賀亮一先生の言語センスと、異様なテンションの中、息をするように自然にギャグが連鎖していく様は本当に素晴らしいと思うのです。
というわけで、本作もそんな古賀節が効きまくった逸品。
「西遊記」をモチーフに、おっとりお姉さんの三蔵ハルカ、気丈なちびっ娘八戒、クールなクリーチャー悟浄、ショタっ子の悟空、そして名状したがい変人 三蔵太郎、天竺を目指して旅をする「テンジカーズ」達が、ただひたすらにキャラクターの個性の赴くまま突っ走りまくるのでありました。
何が凄いかというと、この作品の主要登場人物のほとんどが人の話を聞いておりません。誰も彼もフリーダムな言動を取って、エピソードの本筋に全く関係のないバラバラの事をやっていながら、でも最後は綺麗にオチが付くという。このカオスな感じと、それをくるりとまとめてしまう巧さが素晴らしい。
『ゲノム』や『ニニンがシノブ伝』ではパクマンさんや音速丸といった無軌道に暴れるキャラと、エルエルやシノブといった被害者のようでありながら、実はその天然のキャラでカオスを包み込んでしまうという風でしたが、『テンジカーズ』では太郎は勿論、ハルカさんも可愛い顔して話を変な方向に持って行くし、悟浄はクール風カオスという新しい芸風だしと、物語をかき乱すキャラが山盛り。一人一人は今までの作品に比べるとインパクトが薄いかもしれませんが、たたみかけるような奔放さで読者を翻弄し笑いを引き出します。
うーん、やはり素晴らしい。太郎のキモさも素晴らしい。