佐原ミズ『マイガール』2巻
- 作者: 佐原ミズ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/03/08
- メディア: コミック
- 購入: 7人 クリック: 35回
- この商品を含むブログ (100件) を見る
恋人が遺した娘・コハルと出会って、彼女との生活を始めた正宗。1年が経ち、コハルは小学一年生になって、新しい人々との出逢いがあってと、環境の変化がありながら、まだぎこちないものの、ちょっとづつ「親子」になっていく二人を描きます。
小学校に上がって「正宗くん」だけではなく、クラスメイト達と過ごす時間も持つようになったコハル。新しい出逢いの中でお友達も出来たり、ちょっと嫌なこともあったり。そんなコハルの様子を見て正宗もまた自分の親としての姿を考えさせられたり。ゆっくりと、でも確実に絆を深める二人です。
そんな中、新しく出来た友達のカンナちゃんのお姉さん・アンナに持ち上がった妊娠事件。欠落を抱えた親子としてそれを埋めようと一生懸命な正宗・コハル、それに似た様な状況を経験したコハルのお祖母さん(正宗の義母)それぞれからアンナ達にかけられる言葉は、優しさと強い想いに溢れていてじんと来ます。
母親・恋人、共通する大事な存在を失っているから、失ったものの大きさを知っているから、他人にはそうなって欲しくないと思うコハルと正宗。その失ったものを日々の積み重ねでちょっとづつ埋めていこうとする様が、ああ、何ともいじらしい。
正宗のコハルを思いやる優しさも相当なものですが、小学生なのにあまりにも周りに気を遣って大人な対応ができるコハルが可愛らしくもあり、それが逆に何だかちょっと哀しかったり。
うーん、やはり2巻も実に心に沁みることでありますな。