小竹田貴弘『怪異いかさま博覧亭』2巻

怪異いかさま博覧亭 2巻 (IDコミックス REXコミックス)

怪異いかさま博覧亭 2巻 (IDコミックス REXコミックス)

 両国の見世物小屋「博覧亭」を舞台に、妖怪馬鹿の主人・榊を始めとした個性豊かな座員、出入りの人間達が繰り広げる妖怪・江戸コメディ。江戸文化・妖怪へのこだわりと愛情がひしと詰まりつつも、マニアックでないカラリと明るく楽しい味わいが大変に素敵。

 第2巻では付喪神の八咫などの新キャラも加わりますます賑やかに。ちょっと内気で、でも榊には懐いているカラス少女・八咫の仕草がいちいち可愛らしいです。彼女が何の付喪神であるかは読んでのお楽しみ。

 既存キャラ達も表紙を飾りつつもすっかり貧乳キャラが定着した蓮花を始めとして、杉忠と榊の若い頃からの付き合いと現在の腐れ縁ぷり、蛇女の姐さんのSっぷりなどなど、メインキャラからチョイ役まで掘り下げが進んで、どんどんキャラが立って一層活き活きと動き回っています。
 ギャグのテンポも更に小気味良くて、騒がしくも実に楽しげに描かれる博覧亭の日々。

 でも、博覧亭に集う者達はちょっとワケありの場合も多く、そんな者達に榊たちが時折見せるさりげない優しさと人情がまた実にニクい。普段の騒がしさの中でキラリと光って物語りを引き締めます。
 そんな榊自身の過去に何か背負っているようで、その辺がどう語られるのかも一つ楽しみであります。

 コメディ色が強い作品なので、色々とくずして描かれていますが、芯にある愛情と知識の確かさが伝わってくる作品。どんどん面白くなってきております。とてもとてもオススメ。