宮原るり『恋愛ラボ』1巻

恋愛ラボ 1 (まんがタイムコミックス)

恋愛ラボ 1 (まんがタイムコミックス)

 お嬢様が多く通う私立女子中学校で生徒会長を務める真木夏緒。才色兼備でみんなの憧れの的の彼女ですが、実は恋に憧れていて生徒会室で抱き枕を相手に一人で恋愛の練習中。
 それを目撃してしまった「ワイルドの君」と呼ばれる男前の女生徒・倉橋莉子は会長補佐として生徒会に引き入れられることに。そして生徒会室では連日「恋のレッスン」という名の奇行が繰り広げられることになるのでありました。

 恋に恋する女の子達が「恋愛」に対して持っている憧れ・妄想が軽く暴走して奇行に走ってしまう女の子達。朝曲がり角でぶつかるステキな出逢いの研究だとか、素敵なうなじの見せ方、落としたハンカチを拾ってもうらう大作戦、ドジっ娘を研究してみよう――などなど、妄想が暴走して実に変で可愛らしい事になっております。外ではしっかり者なのに、恋愛レッスンではその天然性と乙女チックロマンでアホの子化してしまっているマキと、そんなマキのツッコミ役を務めながら自分もちょっとそういうのが好きなリコの掛け合いが大変に愉快であります。

 そんな恋に憧れる女の子達の漫才(?)に加えて、マキが生徒会長に就くまでに悶着があった元生徒会メンバーも物語に加わり、話は一層賑やかに。ちょっと複雑な女の子同士の友情を可愛らしく描きながら、生徒会破再始動し「恋愛ラボ」はいよいよ本格始動。

 恋愛話のこっぱずかしさを原動力に、ちょっとおバカな味わいで個性的な女の子達がくるくると良く動く様は大変に魅力的。可愛いのにステキにおバカで笑えること請け合い。大変にオススメの一作です。