久世番子『番線』

番線―本にまつわるエトセトラ (ウンポコ・エッセイ・コミックス)

番線―本にまつわるエトセトラ (ウンポコ・エッセイ・コミックス)

 『暴れん坊本屋さん』で書店の業務にまつわるエピソードを描き、出版業界関係者から共感と笑いを、一般読者からは新鮮な笑いを呼んだ著者が、今度は「書店」に限らず本に関わる様々な仕事・物事をテーマに描くエッセイコミック。

 本の貸し借りから、雑誌のアオリ文章、装丁デザイナー、写植職人、校正業務、本棚について、国会図書館レポ――などなど、本にまつわる物事を作り手、受け手、様々な立場の人々を取材した幅広いネタが満載。
 あるある、という共感を呼ぶネタあり、そうだったのかという新しい発見をもたらしてくれるネタありで、話の作りの方向性もバラエティに富んでおります。
 そしてそれらのネタに共通するのは本への愛情。そのツッコミやちょっとしたネタふりにも本好き故の愛が溢れていて、愛ある故の暴走とテンションの高さがまた賑やかに描かれております。

 個人的に一番印象的だったのは教科書の話。非常に懐かし楽しく読みました。「どろんこ祭り」はやっぱりクるものがありましたよねえ。国語の教科書万歳。