桐原いづみ『白雪ぱにみくす!』2巻
- 作者: 桐原いづみ
- 出版社/メーカー: マッグガーデン
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: コミック
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傷を負っている心を、攻撃的な言動で鎧っているヒロインというのはいいものですなあ。
というわけで、本作のへっぽこ系暴君ヒロインであるところの白雪もそんなタイプ。わがままで尊大ですが、それは人の愛情に飢えていることの裏返しであるという。ちょっと人との絆を感じさせるようなことがあると、うれしさがストレートに顔に出てしまう辺りが実に可愛らしい。普段のへっぽこで隙だらけの暴君っぷりと相俟って、押し隠していたところからぽろりとこぼれ出る喜びの表現が実に良いのです。
そんな白雪と対照的なのがミドリの妹、シンコ。学校でいじめに遭っているというハードな環境にありながら全てを受け流して一向に気にしていない(ように見える)ぽややんとした不思議な娘であります。
契約を結んだミドリよりも、シンコの方が白雪が抱えるドラマに対してキーとなる言動をとっているよな感じであります。
方向性の異なるアンバランスさを抱えた二人のヒロインが互いにどう影響し合うかが一つの注目点かもしれません。
そして更に新キャラ登場。魔界で白雪の世話役をやっていた女性・薊と、白雪を「黄金のりんご」と呼び、かわいい顔して黒いものを抱えている雛菊。
白雪に隠された過去と秘密に触れそうな新展開が始まったところで以下次巻! と言ったところ。
可愛らしい絵柄にクセの強い女性キャラ多数、ということで非常に華やかな絵面。ファンタジー要素ありなのである程度の非現実的設定でも上手く折り合い付けて話を読み進めていけるようになっております。