大和田秀樹『ムダヅモ無き改革』

ムダヅモ無き改革 (近代麻雀コミックス)

ムダヅモ無き改革 (近代麻雀コミックス)

 日本国総理大臣・小泉ジュンイチローが「麻雀外交」で諸外国の権力者達と熱い火花を散らす! 国を背負って立つ男達の熱い戦いを描く怪作麻雀漫画が遂に単行本化。

 米国大統領親子、北の将軍様KGB出身の最強の大統領など現実世界でもキャラ立ちの強い人たちを相手に、杉村タイゾー、麻生タローといったこれまたインパクトの強い味方を配して麻雀を打つジュンイチロー
 それぞれ過剰なまでにキャラクター化されていて、笑ってしまったりシビれるほど格好良かったり。特にジュンイチローの肝のすわりっぷりと麻生タローの格好良さは異常です。しかしそんな濃い味付けがなされている中、プーチンだけは素で漫画のキャラになってしまうという。

 「パトリオットツモ」「人民民主主義リーチ」「バルチックフリート」といった何だかよく分からないけれどもとにかくお国柄と凄さは伝わってくるインパクトのある必殺技が炸裂する卓上のアクションがバカバカしくも大変に熱い。唸る必殺の国士無双十三面(ライジングサン)! 

 国家の大事を麻雀勝負で左右するというバカバカしさと、治家たる男達の熱い生き様が融合して大変に迫力と勢いのあるアクションギャグとなっています。勝負の緊張感や駆け引きといった一般的な麻雀漫画の肝となる要素もありますが、勝負を決するのは基本的に無茶な必殺技の数々ですので、麻雀漫画の形をした大和田ギャグマンガというべきでしょうか。
 しかし、それにしてもこのバカらしさと勢いは素晴らしい。怪作であり快作であります。