久正人『ジャバウォッキー』6巻

ジャバウォッキー(6) (マガジンZKC)

ジャバウォッキー(6) (マガジンZKC)

 モビーディック編クライマックス。「有翼の蛇教団」の目的の輪郭が見えてきたり、といった物語の進展ももちろんありますが、やっぱりシビれてしまうキャラと演出の数々。守護聖人は「聖シャイロック」と宣う教団幹部の札束イベントとか、ティラノサウルスの腕の話とか、リリーとスターバックの女の友情とか、ひたすらイカしております。

 そんなモビーディック編の次から始まるエピソードの舞台はアメリカ。要人警護に当たるピンカートン探偵社といった実際の話をさらりと挟みながら、発明王エジソンと、2巻で登場したニコラ・テスラが登場し、早くも波乱の予感が。さらにはあのバッファロー・ビルも絡めて物語の展開。

 登場人物も、歴史もみな知っているような素材を取り上げていながら、「恐竜人間」というイレギュラーな要素を加えることで予想外のケレン味溢れるフィクションに仕立て上げてしまうのですから、この事件の裏側は、この人物は実は、という展開目白押しで毎回楽しみであります。