『ビーム短編傑作選 奥村セレクション』マンゴー編・いちぢく編

 コミックビームに掲載された読切り作品を奥村編集長がセレクトした短編集2冊。

マンゴー編には

  • 入江喜和「ちゃっぽこ幽霊」(99年4・5月号)
  • 佐々木一浩「ヴェーセラ」(07年3月)
  • 千田悟史「ミッドナイトアイスクリーム」(04年7月)
  • 三好銀「ブルーベリージャム」(99年7月)
  • 鈴木健也「虫の味がする」(05年10月)
  • 竹谷州史「月の爪」(97年3月)
  • きなみなみ「カエル」(04年7月)
  • ミトマヒロ「テキストH」(05年5月)
  • 熊鹿るり「ヒヨラ」(06年4月)
  • 新谷明弘「チェーンシティ」(08年7月)
  • 山名沢湖「ピコレースはしごレース綿レース」(06年5月)

いちぢく編には

  • 肉柱ミゲル「わんぱくディスコ」(99年4月)
  • 鮪オーケストラ「類いまれなるリンダ」(98年2月)
  • 市橋駿介「石川さん飛ぶ」(99年7月)
  • 福耳ノアル「蟲酸」(99年12月)
  • 泉晴紀「夢の行方」(04年3・4月)
  • 百名哲「ばかねこ」(05年11月)
  • 仲能健児「赤色エレジー」(95年「ファミコミ」夏号)
  • 山本健太郎「空の下の人々」(06年6月)
  • カイトモアキ「パンチ」(04年3月)
  • 高野聖ーナガンジーちゃん+1」(98年8月)
  • 中嶋教介「ネキスト・ジェネレーション」(07年1月)
  • 小林哲也「おんなのこ」(01年11月)

(カッコ内は掲載号)

 以上の作品を収録。ビーム初期の作品から最近の作品までバラエティに富んだ作品が収められております。
 個人的には鈴木健也「虫の味がする」、百名哲「ばかねこ」、この二つが読めるだけで「買い」です。08年2月号に掲載されていたヤマザキマリ「THERMAE ROMAE(テルマエ・ロマエ)」とかも入っているともっと嬉しかったのですが、贅沢は言いますまい。
 どれもこれも非常に個性的な作品ばかりで、雑誌掲載時に受けた衝撃をまとめてじっくりと味わえるのは幸せであります。

 読切り作品はなかなか単行本化されないので、こういう形でまとめて読める形にまとめてくれるのは本当にありがたい限り。余所の出版社からもこういう風に雑誌単位で読切りをまとめて出してくれないかしら、と思ったりするのですが売り上げとか考えるとやっぱり難しいのでしょうね。

 そして、それぞれの巻末には桜玉吉による描き下ろしおまけ漫画「かつひこさんエレクション」を収録。こちらもまた大変に良いお味を出しております。とろけるマンゴー。