「ヤングキングアワーズ」08年12月号

林ふみの「神のDICE」(新連載)

 いきなりの下着姿の女の子というサービスシーン、オタク主人公、不思議な体験、学園内で日本刀を携えたエキセントリックなヒロイン、という導入をキャッチーととるか、類型的過ぎるとるか。個人的には、新鮮さとか驚き、というものはあんまり無い感じも。「Dゲーム」なる核の設定がどう語られるか。

水上悟志惑星のさみだれ」第43話:雪待と昴

 タイトル通りの二人のキャラクターの掘り下げが。かわいらしくて大変に麗しい友情ですなあ。片方の幸せがもう片方の幸せになるって無敵ではありませんか。この二人が次なる戦いの中でどうなるか。目が離せません。

大石まさる水惑星年代記」火娘

 火娘と書いて「マーニャン」。あぁ、マーズだから……と、ここでようやく「月娘」がなぜ「ルーニャン」と読むのかようやく気づいた私は多分鈍い。月をルーと発音する中国語の方言ってあったかなあ、とずっと考えておりました。ルナから来てたのね。
 というわけで、最終話はブラック家の娘さんのエピソードで締め。シリーズを通し、スケールの大きい話なのに常に人と環境に寄り添った物語はなんとも心地のよいものでした。
 次回作は2月号より開始、とのことでこちらも期待。

谷川史子「清々と」

 先生への淡い想いに気づいたら、そのあと色々大変、というお話かと思いきや、色々大変の部分が女の子同士の友情と愛情の、という。ああ、なんとも可愛らしくてそして繊細で、でも明るい方向にお話が行って良かった。

石黒正数それでも町は廻っている」#46:学校迷宮案内 後編

 小学生の探偵ごっこ、可愛らしくも間抜けなオチで着地するかと思いきや――いやー、本当に油断できません。宇宙人が登場したエピソードの時もそうでしたが、普段のご近所話の中にこういうエピソードをさっくり混ぜてしまうか! という驚きが。

長谷川哲也「ナポレオン 獅子の時代

 久々に登場のバラスがまた美味しい役どころを。「船が無きゃ 気球を使えばいいじゃない」と来ましたか。それに対するナポレオンの返礼がまた無茶で素敵。スタール夫人とタレイランのタヌキっぷり、ジョセフィーヌの女狐っぷりとそれが見えないナポレオンと相変わらず実にキャラ立ちまくりであります。