「コミックビーム」08年12月号

コミックビーム 2008年 12月号 [雑誌]

コミックビーム 2008年 12月号 [雑誌]

鈴木健也「少女というより痴女だった」(読切り)

 店員と仲良くなろうとレンタルビデオ屋に通い詰める悪魔っ娘。シャイで不器用でちょっとずれている彼女が最終的にその店員さんと近づくまでが可愛かったり切なかったり。凄いタイトルだなあ、と思っていたら、見開きのシーンのぶっ飛びっぷりと、ラストで繋がって綺麗だなあ、と。

タイム涼介アベックパンチ」第23話:ずっとマシな二人。

 イサキ&メバル初の対戦そして初の敗北。挫折の末により結びつきを強くした二人が実に清々しい。ヒラマサのセリフが重いものながらサラリとしているのがまた爽やかですな。

ヤマザキマリ「THERMAE ROMAE」第2話

 ローマ人と風呂のあの物語、まさかの2話目。全開は素晴らしいオチで大変に驚き且つ笑わせて貰いましたが、今回もローマ・日本のネタは同じ。前回のようなサプライズはありませんが、丁寧且つバカバカしい作りで好印象。毎回同じネタで行くのも定型ギャグとしてありだとは思いますが、また別のネタも読んでみたいです。

宮田紘次ききみみ図鑑」最終話:凪の音

 聴覚を失った琵琶法師の話。芳一の名前から「耳無し芳一」のその後、と見ることも出来ますが、そちらには触れず世界の全てであった音を失って絶望する男と、彼を救った女医師のエピソードとして描きます。絶望の果てに男が「見た」ものが神々しい。
 最終回でありますが、「Fellows!」の新作が楽しみであります。