「コミックビーム」09年3月号

コミックビーム 2009年 03月号 [雑誌]

コミックビーム 2009年 03月号 [雑誌]

唐沢なをき「まんが極道」第35話:ゲッタウェイ

 締切をめぐる懊悩と逃亡。案外優しい編集さんだなあ、と思ったりもしますが、最も自分を苛むのは自分自身であったという。しかしまあ、そんだけ大変でも喉元過ぎれば熱さを忘れるにも程がある業の深さよ。

タイム涼介アベックパンチ」第26話:丸い密室

 絆を強め着実に前に進んでいくイサキ・メバル組に対して、微妙にやさぐれているヒラマサ。でも、おかみの娘と何かありそうな予感――がしないでもなく。
 今回のイサキのモノローグは、きちんと彼が拠るべき物を持った上で、別れを自分と相手のものとして見ている、そんな明るさがあって大変に良かったなあ、と。

市橋俊介「敗北DNA」第64敗目

 賞味期限の話、この感覚はものすごくよく分かる! いや、幸いな事に私は中ったことは一回もありませんが。これから先も食べ物の力を信じていこうと思います。

安永知澄「ステップ・バイ・ステップ」#16:沢をのぼる

 今回で最終回。すごく実験的な作品群だったと思うのですが、観念的なエピソードが多くて分かりづらかった印象が強く。
個人的には「やさしいからだ」のような瑞々しい感性と描写をまた見たいなあ、と。