「コミックガム」2007年3月号

きづきあきら+サトウナンキ「メイド諸君!
 メイド姿のまま鳥取の部屋にやってきた千代子。互いに好意を持っているのに、女生徒の距離の取り方が分からず嫌われることへの恐怖から、あくまで「メイド喫茶のメイド」でいてくれとチョコを突っぱねてしまった鳥取
 あー、こういうオタクの心理を多少の誇張を交えつつ取り出してくるのは本当に上手いなー。
 しかし、チョコはメイドとして鳥取のところに押しかけてしまうのでありました。アグレッシブだなあ。話は恋愛モード突入なのかしら、と思いつつもこのコンビの場合は何か黒い展開が待っていそうな予感。

みなぎ得一「足洗邸の住人達、」
 ん、タイトルがまた変わったような。久々に登場の誄歌がおちょくりつつも福太郎に喝を入れたり、福太郎が出て行くことを聞きつけたお仙が、不器用且つ迂遠に過ぎる告白をしたり。こういうときにギヨタンの話を持ってくるとか素晴らしいチョイスだなあ。
 あ、そういやまたタイトルが変わってますね。先月からでしたっけか?

かかし朝浩暴れん坊少納言
 清少納言ツンデレである、というネタの連作短編最終回。
 中宮定子からの招請を逃げ回る少納言。いきなりのことで迷う少納言だが、無骨者の光則が言った言葉に感じるところがあり、出仕を決意する。
 乱暴で才走っていて負けん気の強い少納言、無骨だが筋の通った橘光則、いい性格をした中宮定子など、非常にキャラが立っていて楽しかった。ツンデレフォーマットを上手く使いこなしつつ、まとまりの良い短編に仕上げた印象。才女ではなく乱暴者という新しい清少納言像も面白かった。

ワタリユウ「呪禁師は人形を抱いて嗤う」
 フィギュア作りが趣味のボンクラ歯科医師、実は腕っこきの呪禁師だった、という。助手のお姉さん達をフィギュアを媒介に傀儡化して戦うお色気ありのオカルティックバトル物。ガムは本当にこういう作品多いなあ。好きですけど。具現化した呪詛のデザインとか中々格好良かった。
 しかし、お兄さんの形見が萌えフィギュアっていうのも凄い話だ。