「コミックビーム」07年7月号

丸尾末広「パノラマ島綺譚」
 新連載。江戸川乱歩の傑作を丸尾末広がコミカライズ。
 連載第一回目となる今回は人見広介が急死した菰田源三郎の墓を掘り起こし、入れ替わりを計画を実行するところまで。物語は動き始めたばかりですが、「パノラマ島」の妖しい美しさをこれからどう描いていくか非常に楽しみです。

吉田戦車「宇宙巨人アムンゼン
 タマゴ怪獣のシロミズンとキミンゴとの戦いの中で生まれるアムンゼンとゾリーの奇妙な連帯感。―――と思ったら最終回なのか!
 吉田戦車らしい奇妙な味わいのある作品でしたが、何でこんなに早く終わってしまうんだろう。

入江亜季群青学舎」 薄明 後編
 知識を持っていてもその病ゆえに実際の世界を知らない万里雄。そんな彼にとって青子の存在はかけがえのない存在で。そして、万里雄を喪った青子が思い出す彼とのやりとり。激しい切なさを呼ぶ余韻に満ちております。入江亜紀は本当に上手いなあ。

森薫「エマ 番外編」
 今回は後日譚的位置づけで、自転車に乗るウィリアムとエマの話。
 すっこけたり、スカートを気にして転ぶエマさんが可愛らしい。また、ウィリアムを見つめる眼差しとか、ウィリアムが帰った後の反応とか表にはっきり出さないけれど、しかしウィリアムへの強い愛情が感じられていいですなあ。

タイム涼介アベックパンチ
 試合会場にたどり着いたイサキとヒラマサ。チャンピオンの姿を見たヒラマサはイサキの制止も聞かずリング上に乱入してしまうが、そこでチャンピオン達がとった行動は―――。
 感情のまま暴走するヒラマサに対して、それを心のどこかで羨ましく思うイサキ。紆余曲折の末に正式に競技「アベックパンチ」でチャンピオンに挑戦することになったイサキとヒラマサ。パートナー探しを一体どうするのか、果たして二人はちゃんとスポーツできるのか。益々面白くなってきました。