柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』3巻
「一局の将棋は一つの壮大な甘くない物語だよ」と語り、漫画のキャラクターとともに盤面に己の物語を描き出す文字山。
その文字山の将棋よりも深く潜ろうとするハチワンダイバー・菅田の攻防。
文字山の描く物語に飲まれて窮地に立つ菅田と、そこからの圧倒的なスピード感と緊張感の中で展開する勝負。
一線を超えて、涙と汗と鼻水にまみれながらノーガードの打ち合いをする二人の姿は滑稽でありながらも、凄まじく熱いのです。
短く区切られた台詞の力強さと、大ゴマの連続が生み出すダイナミズム。
自分の漫画のキャラと対話しながら将棋を指す文字山の特異なキャラクターインパクトの強さも素晴らしい。
いやあ、この3巻も圧倒的に面白い!
そして、文字山との勝負の次の対戦相手は「アキバの受け師」のメイド時の名前を知る男・斬野。
勝てばみるく(アキバの受け師)は自分の物となるという斬野の言葉に動揺する菅田はそんな精神状態のまま勝負に突入し、圧倒的な力の前に為す術無く……
以下次巻!
一体どうなるのでありましょうか。本当にこのテンションとスピード感、パンチ力は素晴らしいなあ!
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