たくま朋正『コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー』1巻
「コードギアス」異聞、とでも位置づけすべきコミカライズ。
アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」の主役であるルルーシュは第一話で死亡(?)してしまい、代わりにギアスの能力を授かったのは、盲目で足の不自由な彼の妹・ナナリー。
アニメではイノセントな守られるべき存在・ルルーシュが戦う理由として、いわば純粋さの象徴だったナナリー。その彼女が異形のナイトメアを自在に操る能力を得て、見えなかったはずの目を見開きながら
「貴様らがお兄さまを殺したなあ!」
と鬼神の如き戦いぶりを発揮するのは相当なインパクトがあります。
これはもう「ナナリー」と呼び捨てではなく、「ナナリーさん」と「さん」付けで呼ばざるを得ない。
ナナリーさんのギアスの力は「未来線を読む能力」。相手の攻撃・戦況、あらゆる未来を読むことができるというエラい強力な能力を手にして戦闘では大活躍のナナリーさんですが、ルルーシュ君のように外部に対する働きかけをしないので基本的に巻き込まれ型。ただ、ルルーシュは死んだと語られているにもかかわらず、謎の仮面の男・ゼロが登場し黒の騎士団と共にブリタニアへの反逆を開始。(このゼロの中身は1巻の時点では不明)物語はクロヴィス暗殺・河口湖畔立て籠もりなど基本的なアウトラインはアニメをなぞる形になります。
このゼロが引っかき回す事態に巻き込まれながら、圧倒的な能力で暴れるナナリーさん。彼女の戦いの行き着く先や如何に。
アニメでは登場しなかったナナリーさんの友人・アリスが登場したり、ブリタニアに女だけで構成されたギアス能力者の部隊があったりと、コミック版のオリジナル要素も多数。特にアリスはルルーシュに対するスザクのような重要キャラになりそうな感じも。
ギアス能力もアニメの人間に働きかける能力というより、「ザ・パワー」「ザ・スピード」などナイトメア操縦時に発揮される特殊能力という位置づけらしくて、「キングゲイナー」のオーバースキルみたいな感じで捉えたら良いのでしょうか。
兎に角、ナナリーさんの豹変ぶりがアニメ視聴者の度肝を抜くこと間違いなし。
「走れる! 跳べる! これが私の新しい身体!」
「もうあんあ車イスなんて必要ない! 私は自由だ!!」
と笑い声を上げながら戦場を駆け回るナナリーさんのはっちゃけぶりに大注目。
そして、ルルさん・スザクがいない「コードギアス」異聞として実に先が気になる展開であります。
ちなみに密かにパンチラが多いのもポイントと言えばポイントかも知れません。
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