中山昌亮『不安の種+』1巻
- 作者: 中山昌亮
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/07/06
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 73回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
「週刊少年チャンピオン」連載中のホラー漫画。
以前A5版で出ていた『不安の種』の新章ということで、新書版へと判型は小さくなりましたが素晴らしく怖い話が詰まっており、読んでいて終始鳥肌が立ちっぱなしです。
日常の中でふと遭遇する訳の分からないもの・出来事。
原因も理由も物語もなく、ただ「そういうモノ」として存在し、説明があるでなく、話がオチるでなく、ただ投げ出された奇怪なソレは、読者の心にざらりとした不安を残していきます。
誰かが死んだりとか、因縁話があったりとか、そういうものは一切なし。
日常からぷつりと切り出されたその怪異は、理で説明できないが故に大変に不気味です。
人間って「分からない」ものがたぶん一番恐ろしいのでしょう。
1エピソードは2〜5ページ程度と短く、その短さが想像力を喚起します。
また、絵が大変に怖くて本当に素晴らしい。目が怖いです。歯が怖いです。
登場する怪異の「歪み」が読む者の恐怖と益々煽り立てます。
特に表紙にも登場している「オチョナンさん」がゾワゾワ来ます。
16話「おじいさんのオチョナンさん」で登場する悪オチョナンさんを見たときには全身にびっしりと鳥肌が立ちました。
いやあ、素晴らしい怖さですよ、これは。
ありきたりな締めですが、寝苦しいこれからの夜に大変にオススメの一作。
個人的には今一番怖いホラー漫画であります。
それぞれ独立したエピソードで前作を読んでいなくても全く問題はなし。この「+」の発売を機に怖い話好きな方は是非。