原作:虚淵玄 漫画:中村哲也『エンシェントミスティ』

 オーパーツ・黄金ジェットとその発見者の美少年を巡って繰り広げられるロリっ娘トレジャーハンター&不定形可変メイドVS大英博物館戦術学芸員の戦い! その黄金ジェットに秘められた謎とは?! そして美少年の貞操は無事なのか?!
 『吸血殲鬼ヴェドゴニア』のシナリオライター虚淵玄と『腐り姫』の原画・中村哲也というコンビで描く冒険活劇!

 というわけで。
 オーパーツ、美少女トレジャーハンター、ライバル組織、オーパーツに眠る神、とお約束なまでの「冒険活劇」要素が詰まった作品。「やっぱりこうでなくちゃ!」感をびしびし感じさせるツボを押さえた話となっております。

 主人公のロリっ娘トレジャーハンター・ミスティ、実はファラオの呪いによって姿を変えられた美少年喰いの妖艶な美女だったり、大英博物館戦術学芸員のタウンゼント卿はマッチョホモのサイボーグだったりと、キャラ設定もトリッキーで楽しい。
 これによってオーパーツだけでなく、美少年の奪い合いというちとマニアックな構図も出現しており、謎とアクションの物語にバカらしさも多分に加わって非常に楽しげな話に仕上がっております。
 それにしても中村哲也描くところのショタっ子は可愛らしいというか色気があって困りますなあ。女性キャラももちろん可愛いですが。中村哲也キャラはちょっと絵柄にクセがあるけれども、とても漫画映えすると思うのです。

 「大陸間弾道メイド」のマレアさんとか、顔見せ程度に登場しているキャラが何人かいたり、目次には「黄金ジェット編」とあったりするので、トレジャーハント物として展開していける構想があったものと思われますが、お話的にはこの1巻で完結。
 冒険活劇として良い意味でのお約束感が詰まっております。その辺の活劇の楽しさと、良く動くキャラクターが楽しい一作でありました。

エンシェントミスティ (電撃コミックス EX 105-1)エンシェントミスティ (電撃コミックス EX 105-1)
虚淵 玄 中村 哲也

メディアワークス 2007-08-27
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