原作:横山光輝 脚本:今川泰宏 漫画:戸田泰成『ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日』

 ロボと大作の過去が語られた「誕生編」が終わり、梁山泊本部急襲の「白昼の残月編」が始まる第2巻。

 GR奪取に失敗したBF団、いよいよ十傑衆が本格的に動き出しますが、幻惑のセルバンテスに続く二番手は「白昼の残月」。ウラヌス、スフィンクス、ウラエヌスの三つの神体を使って世界各地で暴れ回ります。それを迎え撃つ国際警察連合。

 世界を滅ぼすというロボの力を巡って争うBF団と国際警察連合。この二つの組織の間で翻弄される大作少年。そして、彼は元九大天王の一人であり、ロボの秘密を握る豹子頭林冲と出会い、国際警察連合の本拠地である梁山泊へと足を踏み入れるのでありました――。
 そして、その梁山泊を急襲する白昼の残月。
 前門の九大天王、後門の十傑集。大作少年の運命や如何に!?


 いやー、濃い。素晴らしく濃い。
 十傑衆が濃い、九大天王が濃い、いちいちポーズが濃い、擬音が濃い、何もかもが濃くて読んでいるだけでお腹いっぱい胸いっぱい。ケレン味たっぷりの今川脚本と、濃いぃけれども勢いとかっこよさ抜群の戸田画の熱い融合。これでワクワクしない方が無理というものです。

 アルベルトのサリー召還、それに加えてGR2、GR3も登場! 絶体絶命のピンチか!? と思いきや何の説明も無く味方としてGR2・3を使役し始める大作少年や、無明幻妖斎が語る草間博士とのツッコミどころ満載のケンカの事情とか無駄にパワフル、無駄に勢いがあってとにかく読ませる作品であることは間違いありません。幻妖斎と草間博士、(あくまで幻妖斎視点からの話ですが)子供みたいな理由で世界を滅ぼしかけてます。

 そしてますます冴え渡る中条長官と韓信元帥のウザさ。「ごきげんようー!!」とか「やんややんや」とか。大作少年を翻弄する小悪党と化して、本当に良い味をだしております、この二人。

 OVAとは激しく異なる展開を見せておりますが、ロボと大作少年はあくまで狂言回しで、十傑衆と九大天王の濃いぃぃキャラ達の活躍がメインというのは共通しております。オヤジ達の勢いとインパクトとケレン味たっぷりの活躍は本当にたまりません。

ジャイアントロボ地球の燃え尽きる日 2 (2) (チャンピオンREDコミックス)ジャイアントロボ地球の燃え尽きる日 2 (2) (チャンピオンREDコミックス)
横山 光輝 今川 泰宏 戸田 泰成

秋田書店 2007-09-20
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