カトウハルアキ『ヒャッコ』2巻
- 作者: カトウハルアキ
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2007/11/12
- メディア: コミック
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2巻で新たに登場するのは、ロボット作りが趣味の少女 涼ヶ崎知恵、コミュニケーション下手で見た目が貞子の蕾家祈、体は大きいのに泣き虫な大場湊兎、虎子が嫌いだ! と宣う眼鏡娘 風茉莉冬馬の4人。
あと、龍姫のとこの家政婦トシ子さんも。
知恵が作ったメカ虎子での替え玉事件や、祈のイメチェンから始まった髪型変更大会、血で血を洗うドッヂボールデスマッチなど、大笑い必至のエピソードが描かれております。特に、メカ虎子の登場には声を出して笑ってしまいました。(カバーを外した表紙部分も必見!)
女の子達もみな良い味を出しておりますが、メカ虎子におちょくられたり、きっちり七三分けにされてしまったり、ドッヂボールで壮絶な戦死を遂げたりと、傘先生も付き合いの良い人だなあ。
どんどんキャラが増えていますが、既存キャラもほんのチョイ役、一コマっきりの登場でもしっかり個性を発揮してる辺りが心憎い。子々ならずとも「みんな大好きだ!」と叫びたくなります。
そんなたくさんのキャラクターが登場しておりますが、この作品を読む上で欠かすことが出来ないのは虎子の存在。
おバカでトラブルメーカー、でもひたすらに快活で明るくて裏表のない虎子を中心に形成されていく友達の輪。彼女に向けられているのは、好意だったり、憧れだったり、煩わしさだったりと色々ありますが、みんなに共通しているのは、そんな虎子が気になって仕方がない、というところ。結局の所は各人の好意の表れ方が違うだけで、みんな虎子が好き、という。
分け隔て無く振りまかれる彼女の好意に対して照れるか、素直に受け取るか、戸惑うか。虎子を介して浮き彫りになる登場人物達の性格であります。
人間関係でも、トラブルでも常に中心にいる虎子はまさにこの物語の核となる存在。時に台風であり、時に太陽だったりする虎子の存在。彼女が物語に参加しているのではなくて、彼女の行動そのものが周囲をぶん回して物語を作っているという、物語作成型のヒロインであります。
さて、そんな感じで学校内では常に友達の輪の中心にある虎子。
彼女の行動こそがドラマの中心でありましたが、この2巻の後の話を見るに物語は一つターニングポイントを迎えております。
学校の外、家庭での虎子の存在は果たして一体どういうものとして描かれるか――。
と興味が尽きません。
いやしかし、虎子は本当に可愛らしい。おバカキャラなのに、実はもの凄く美人で、本人もそれを自覚していないし、周囲も普段は意識していないにも関わらず、時おり凄まじい破壊力を発揮するのもズルい。その可愛らしさは反則です。
そんな虎子と多くの登場人物が巻き起こすトラブルがとにかく楽しい本作。
1巻の時も申しましたが、心の底からオススメであります。