小野敏洋『そらのカナタの!』2巻

そらのカナタの! (2) (CR comics)

そらのカナタの! (2) (CR comics)

「刻蝕」という地球生命体の時間を食う未知の天文現象によって危機にさらされる地球。その「刻蝕」に立ち向かう「調律の力」を持った少年少女達の物語。「コミックラッシュ」連載中の上r……小野敏洋先生の最新作、第2巻。

 世界中のあらゆる場所にに出現する刻蝕に対抗するために、世界各地で戦っている調律の力を持つ子供達。ヒロイン そらのはそんな自分と同じような立場にある子供達とネットワークを築いて一緒に頑張ろうとする。でもちょっとヒネた涼木君は戦う自分も、刻蝕の危機にさらされる世界もどこか覚めた目で見ていて。

 相変わらずそらのと涼木の二人の好対照ぶりですが、今巻では二人の微妙な接近が見られるのがポイント。戦いの中で様々な経験をしてものの考え方が変わっていく若人達。そして少しずつ判明していく物語の核となる「刻蝕」と、導き手となる少年・リクの素性。
  そこに刻蝕を起こす「魚」から生まれた謎の少女の登場が物語に更なる波乱を呼びます。

 物語的には結構ハードな背景を抱えつつも、刻蝕の開始と終了によって人々の服が破れてしまうという設定をふんだんに使って肌色が多いコメディチックな展開を前面に押し出したりして、明るく楽しげに物語を展開します。
 可愛らしく魅力的なキャラクターが織りなす少年少女の友情と、SF的な設定の謎を求心力として持つ物語。奇を衒わず、ストロングスタイルで魅せるその筆はやはり上手いなあ、と思うのです。
 そして、女の子同士のスキンシップがちょっと過剰なのは実に小野先生らしいというか。