「コミックビーム」08年5月号
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/04/12
- メディア: 雑誌
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竹谷州史「まっしろけ」(新連載)
物事に全く執着しない主人公の青年・真白。両親が目の前で殺されても、その殺した相手を前にしても頓着しない。といっても虚無的なのではなく、両親の死を「思うがまま生きた結果笑って見送るしかない」、仇に対しても「復讐なんて暇人の道楽 忘れましょう」と実に陽気にさらりと流してしまいます。
異常と言えば異常な主人公ですが、それよりは、徹底した陽気さと極端だけれど理にかなったものの考え方、それに伝法な口調も相俟って清々しい印象です。何の係累も無い、何も染まらないこの自由な主人公がこれからどんな人生を歩むのか。今後の展開が楽しみ。
入江亜季「群青学舎」第三十一話:七色ファミリア
先月の家族の話の続き。3人の子供が寝静まって、二人きりの愛の時間を過ごすフレデリックとアースラの夫婦。いやあ、何とも艶っぽい描写であります。
しかし、寝たはずの子供達が次々と起きてきて――結局バタバタと賑やかな家族の時間が始まってしまうのでした。男と女の顔から母親と父親の顔に変わる二人と、その愛情に包まれた子供達がに本当に幸せそう。
愛情に溢れた幸せそうなこの家族の物語は来月も続くそうで。今度はどんな話かしら。
宮田紘次「ききみみ図鑑」(新連載)
音楽が「視える」ことが原因で音楽が嫌いになってしまっていた主人公。しかしたまたま覗いた軽音部が奏でる音を「視て」しまい、文化祭のライブを見に行くことに、そこで彼が視たのは――
「ビームFellows」に「猫でタンデム」、ビームにも何回か短編が掲載され、その度に早く次の作品が読みたい! と思ってきた作者が遂に連載に。いやー、目出度い。
このお話も主人公が視た音の描写はユニークだし迫力あるしで大変に面白く、キャラの表情もとても良くて、読んでいて大変気持ちが良いのです。
「小編連作」との事なので次回はまた別の話になるのか、それともこの話からつながらるの、次号予告からはちょっと判断が付きかねますが、いずれにせよ大変に期待しております。