高橋慶太郎『ヨルムンガンド』4巻

ヨルムンガンド 4 (サンデーGXコミックス)

ヨルムンガンド 4 (サンデーGXコミックス)

 バルメの過去に触れるエピソードがひとまず片付き、ココの次なるお相手は元女優の兵器ブローカー アマーリア・トロホブスキー。
 柔らかな笑顔とぽやんとした物腰だけれども、常に先回りする彼女に対して手の打ちようが無くなってしまったかに見えるココだが――

 屈託無げな少女の笑顔の下に、冷徹さと狡猾さ、そして獰猛さを隠すココがたまらなく恐ろしく、そして格好いい。
 そのココが同じように「女の笑顔」の下に得体の知れないものを隠しているトロホブスキーと渡り合う様は、表面上は和やかでも水面下での激しい攻防に凄まじい緊張感が漂っております。
 一旦勝負は付きましたが、トロホブスキーは色々な意味で恐ろしい人であることだなあ。笑顔の仮面の厚さはココ以上であるのは流石元女優。

 そしてココと彼女の部下達の信頼関係の厚さというのが毎回いいですわね。これだけ危ない世界を渡っているというのに、そんな中でも実に楽しげに、そしてキッチリと仕事をこなすのが。
 まだ10代の小娘一人にこれだけの剛の者達が付いてくる、というのを納得させるだけの説得力がココ・ヘクマティアルというキャラにはあります。