いけだたかし『ささめきこと』2巻

ささめきこと 2 (MFコミックス アライブシリーズ)

ささめきこと 2 (MFコミックス アライブシリーズ)

 友人の汐に想いを寄せる純夏。女の子同士のカップル、朋絵とみやこに「女子部」に誘われて活動に参加していくことに。

 登場人物も増え、純夏と汐の関係を中心としながらも、女装少年の朱宮クンや同人少女のあずさなど純夏をめぐる人物関係も賑やかに、そして複雑に。
 汐から純夏への認識も「親友」という位置づけから、本人は気づいていないものの友情以上の感情を帯びてきているようで、二人の微妙な距離感が切なかったりくすぐったかったりと、実に甘ずっぱい感じであります。

 汐に対する純夏の気持ちが一途なだけに、その純夏に想いを寄せる朱宮クンやあずさの気持ちとのすれ違いが、より切ない感じの話が詰まっているこの2巻。女の子同士の片思いの連鎖、連鎖、連鎖。ああ、切ない。特に自分の想いが全然通じていないあずさが切ない。純夏と汐は恋情無しにも親友という立場がありますが、そこまで親しさが無いあずさの立ち位置が切ない。

 さてさて、純夏と汐、微妙に二人の間の「お友達」という距離が揺らいできておりますが、この女の子同士の恋愛、どうなりますやら。コメディチックにドタバタと賑やかな展開を交えつつ、表に出せない秘めた想いを綴るストーリー。読んでいてキュンとしてしまいます。