福満しげゆき『うちの妻ってどうでしょう?』1巻

うちの妻ってどうでしょう? 1 (1) (アクションコミックス)

うちの妻ってどうでしょう? 1 (1) (アクションコミックス)

 『僕の小規模な生活』などでも出てきていた著者の奥さん。その奥さんとケンカしたり怒られたり手伝ってもらったりなんやかやの日々の生活の中での些細な言動を細かく観察して淡々と描いております。
 別にオチが付くわけでもなく、本当に事実を淡々と描写しているだけなのですが、それが妙におかしみがあったり可愛らしかったり。ちょっとむっちりした奥さんの行動一つ一つが愛らしいんですな。福満先生、実に良く観察しておられます。
 ケンカなどの派手に感情が動いている場面でもそれを第三者的視点で淡々と眺めているのがまた。
 うーん、実際の奥さんがどういう方なのか非常に気になります。

 奥さんの話ばかりではなく、福満先生自身のエピソードも結構あって、そちらもユーモラスで。結構鬱屈した感情を抱えていながら、それを爆発させるでもなく、いじけるでもなく、気弱げに開示してみせるのが福満先生的であります。

 しかしまあ、この作品で独特なのはそのコマ割り。1ページに4コマ×2本が並んだ構成なのですが、別に4コマ漫画が2本並んでいるわけではありません。一つのエピソードが語られると「○○おわり」と告げられてお終い。次のコマからまた新しい話が。それが6コマだったり10コマだったり8コマだったりと、4コマ枠組を無視して綴られておりまして妙に新鮮でした。ああ、こういうコマ割りってありなんだなあ、と。

 ともかくも、奥さんがモノ食ったり怒ったりたまに妙な行動をしていたりが愛らしく、それを観察している視点が何だかユーモラス。うーん、何とも味わい深い。