「コミックビーム」08年6月号
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/05/12
- メディア: 雑誌
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タイム涼介「アベックパンチ」第17話:ハンドオフ
試合に勝利したヒラマサ達を待っていたのは抗いようの無い権力の介入。それに対して逃亡を試み、大立ち回りを演じたスズキとヒラマサですが、やはり敵うべくもなく――。
やっと大切なものが出来たと思ったらこんな形で失ってしまって。二人はこの先一体どうするのか。
ヒラマサの大立ち回り、コルビーナがここに来て初めて見せた表情、敵役が漏らした言葉、全てに心打つものがあります。
竹谷州史「まっしろけ」第2話
世に全く係累の無い主人公。追われていた中国人の女の子を、口から出任せの身の上話で助けたり。この口上の巧みさが良い味を出しております。
そして何も係累が無いことを身軽と考える主人公に対し、職安で彼と知り合ったお父さんは、何も無い彼より帰る家・待っている家族があることが「まだマシだ」と考えておりますが……。
――人生って、どっちがいいんでしょうかねェ。
入江亜季「群青学舎」第三十二話:七色トゥモロー
アースラ母さんと三人の子供達のエピソード3つめ。と、子供達はすっかり大きくなっており、実家を出る日となりました。それぞれ違った風に育った子供達がそれぞれに名残惜しげに実家での最後の時間を過ごすのを明るくおおらかに送り出すアースラ母さん。でも――。
うーん、素晴らしい! 「母親」としての仕事の一区切りを立派に果たしたアースラと、それをきちんと分かってあげているフレッド。とてもいい関係の家族だなあ。
宮田紘次「ききみみ図鑑」第2話:奪われた歌
流転の果てに囚われの身となったエキゾチックな風貌の歌姫と、彼女を熱心に見つめる少年。時を経ても姿が変わらぬ歌姫を少年はずっと恋い慕い、やがて迎えに訪れるのでありました――
年月を経ても姿の変わらないこの歌姫、一体何者だろう、と思っていたら、成程、こういうネタか!
で、前回とは全く違うお話ということで、やっぱり音にちなんで毎回毎回違うエピソードを描いていくようですね。要注目! 可愛らしくもどこか艶っぽい画がたまらなく好きです。
上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」第115話:トレースだよ キャプテントラウマ
最初のページで見事に驚かされて騙されて、以降のページで前々から周到に仕込まれた濃度の高いネタに感心するやら呆れるやら。最高だよ、ウエケン!
雑誌連載だからこそ最高の面白さを発揮するネタですなあ。素晴らしい!