「ヤングキングアワーズ」08年7月号

YOUNGKING OURS (ヤングキングアワーズ) 2008年 07月号 [雑誌]

YOUNGKING OURS (ヤングキングアワーズ) 2008年 07月号 [雑誌]

竹山祐右「破戒剣士」第一集:劔仙弐刀(新連載)

 一刀を二刀の如く操る流派の剣士が主人公の武侠物。新連載第1話としてはお行儀が良すぎるというか目新しさが無かったというか、インパクトはちょっと弱いかも。武侠物のお約束を踏まえた第一話、とも言えますが。力強い線で描かれるアクションは相変わらず気持ちいいので、ハッタリをもっとガンガンかまし武侠的華のある展開を個人的には希望。

大石まさる水惑星年代記」月娘 第三回:ルーニャン大地に立つ

 ついに地球に降り立った生粋の月娘の讀巫女。初めての地球で彼女が受けた様々な感動を瑞々しく描いております。重力、湿気、匂い、海、雪、などなど我々にとっては当たり前のことをこういう感性で描ける大石まさる先生は素晴らしいだなあ、と。
 ちなみに、今月号の付録には「水惑星年代記読本」という小冊子がついておりまして、書下ろし漫画や過去のカラーイラストの他、登場人物の相関図・年表がついておりまして作品全体の流れを見直すのに大変便利なものとなっております。

水上悟志惑星のさみだれ」第38話:日下部太朗と獣の騎士団

 援軍に来た三日月の新技によって泥人形を撃退した獣の騎士達。その結果をうけて仲間を守る力を求める夕日と白道さんはアニマの導きにより戦う事に。
 前回の衝撃の結末が各人に与えた影響は大きく、それぞれ事実を受け止めようと必至に格闘しております。花子の無表情の下には果たしてどんな感情があるのでありましょうか。

石黒正数それでも町は廻っている」第41話:俺達は機械じゃねえ!

 紺先輩の家を訪れた歩鳥が見たのは血塗られた包丁を持った見知らぬ男だった!――そんな始まり方で紺先輩と歩鳥のなんだかんだでさりげなくも深い友情を物語る出会った頃のエピソードが語られるのでありました。上手いなあ。

平野耕太HELLSING」第92話:SORCERIAN

 少佐の最期。自らを人間だと語る彼の正体は――でしたが、その語るところは平野耕太作品に通底する「自らの意志で選択することのできる者」への賛美の言葉でありました。物語もいよいよ終幕が近づいてきた感じですが、果たしてどのようなラストを迎えるのでありましょうか。