「チャンピオンREDいちご」vol.8

チャンピオン RED (レッド) いちご 2008年 07月号 [雑誌]

チャンピオン RED (レッド) いちご 2008年 07月号 [雑誌]

 付録は「スク水ホルダー」。脳のどの部分をどう使ったらこんなものを考えつくのか、という狂気の産物。「スク水を身につけたい、いつもスク水を感じていたい! そんな夢を叶える驚愕のアイテム……」という煽り文句も自然体で狂っております。こんな企画にGoサインを出せる秋田書店は全く度量の広い会社であることだなあ。

FLIPFLOPs猫神やおよろず

 繭が高天原を逐われ、柚子と出会った時のエピソード。繭のおマヌーさ加減が愉快でもあり、柚子の哀しみとその整理の付け方がしっとりと心に沁みるエピソードでもあり。この「いい話」感は実に巧いなあ。

青本もあ「ガレキに華を」

 ご主人様ラブなフィギュア少女と、生身に興味が無いご主人様と、お兄ちゃんラブなご主人様の妹のすれ違いまくる偏愛。青本もあ先生のどこか噛み合わないズレたラブストーリーは大変に心くすぐるものがあります。ほんわりと可愛い絵柄なのにちょっと引っかかるこの変さ。そして微妙なアホさ加減もまた微笑ましくていいですなあ。

おりもとみまな『メイドいんジャパン』

 成美にできたメイドのお友達は何と両性具有。彼女との友情を深めていく成美ですが――
 話の筋としては美談のはずなのに、それを構成する全ての部品が狂っているからさあ大変。いい話なのにこの狂気の沙汰。狂気の沙汰だけど美しい友情と愛の物語。「この中でおちんちんが嫌いな者だけ石を投げなさい!」どこかから怒られそうなセリフですが、しかし美しくて格好いい。でもやっぱり狂っているなあ! 最高です。

kashmir「彼女はUXO

 股間にミサイルを生やした少女の淡い恋の物語。……やはりkashmir先生は凡人とシナプスの繋がり方が違うのではあるまいか。変だ。変なのにするりと受け入れてしまうのはなぜでしょう。いや、変です、やっぱり。でも、まあ、いいやとなるこの独特の癖になる空気ったら。


 次回からは「キミキス」が終わった糸杉先生の新連載「あきそら」が開始。予告で既に乳首が見えております。しかし糸杉先生はちょっと瞳の描き方が変わったかしら。そのほか巻田佳春先生の掲載も。巻田音は――出ないでしょうな。……とは言い切れないのが「いちご」の恐ろしいところであります。