カネコマサル『ふら・ふろ』1巻
- 作者: カネコマサル
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2008/06/28
- メディア: コミック
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二人で安アパートの管理人をやっているハナとナツ。お金も無い、食べるものも無い、家具もない貧乏生活ですが明るく楽しく暮らしている二人なのであります。
「まんがタイムきららキャラット」連載の作品ですが、4コマではなくて1ページで1エピソード完結型の日常のショートショートを連ねた作品。「flat&flow」略して「ふら・ふろ」のタイトル通り、大きな事件も起きないゆるゆるとした日常の中、ボケ役のハナとツッコミ役のナツが貧乏生活をエンジョイする様を描いております。
強烈なオチやパンチ力のあるタイプの作品ではありませんが、貧乏が染みついた二人の、しかししみったれた感じや暗さの無い、のほほんとした明るい暮らしが実に可愛らしくて心地よいのです。何といいましょうか「日なた感」とでもいえば良いのでしょうか、何にもないけれどほっこりと暖かくて気持ちの良い感じであります。
冷蔵庫空っぽの生活を素パスタでしのぎ、畳の目を数えて暇つぶしをするような貧乏生活なのにそんな状況を嘆くでなく恨むでなく受け入れて楽しんでいる二人が醸し出す明るい空気が大変に気持ち良くて、読んでいてニコニコしてしまいます。
動物に好かれることで二人の尊崇を受けて「お師匠」と呼ばれる不思議な佇まいの幼女、酒好きで騒がしいけど実は面倒見の良い大家さん、途中で入居してきたほんわか系不幸メガネ娘のアオちゃんなどのサブキャラ達もそれぞれの魅力でお話に華を添えて、それがまたまったりと楽しい空気になっております。
特にお師匠の醸し出す何とも言えない空気は大変可愛らしい。
とにかくこの絵柄と作品全体の空気が私は大変に大変に好きであります。くすりと笑えてちょっとなごむエピソードでしあわせ。