「ヤングキングアワーズ」08年9月号

水上悟志惑星のさみだれ」第40話:騎士 宙野花子(前編)

 泥人形の再出現を喪服で迎え撃つ騎士達。相談も無しに全員がこの服装になった、というところに騎士達の絆の深まりを感じさせます。一方、太朗の死に自分なりの整理をつけた花子。戦いの緊張感と各人の成長がひしと感じられます。

石黒正数それでも町は廻っている」#43:夢現小説

 夢とうつつが入り交じりながら静さんと過ごす夏の一日。静お姉さんの秘密、それを歩鳥に知らせないでおきたい静さんの微妙な気持ちの描写が実に良いですな。作家名はアナグラムでしたか。

瀬田ヒナコ「九十九のカナタ」(読み切り)

 おもちゃの戦闘機の付喪神の少女と、彼女のご主人様となってしまった少年のトラブル解決モノ&バトル。携帯電話を使用、というのが今風なのでしょうか。緻密な書き込みと可愛らしい女の子の絵は目を惹きます。多分連載前提の掲載だと思うのですがこの1話だけだと色々詰め込まれててちょっと窮屈な印象も。アホっぽい付喪神の娘さんは可愛らしいと思います。

竿尾悟コンビニDMZ」#22:1944@DMZ

 2次大戦中にもコンビニDMZが! 総統のお墨付きで誰も手出しが出来ないとはこの時代でも全く恐ろしいことであります。しかし、設定としては他人のそら似? 先代? でも名前も合っているしなあ。 この辺の謎も興味津々。

長谷川哲也「ナポレオン 獅子の時代

 タレーラン登場。弁舌の巧みであるということをキスシーンで表現しようとする素晴らしい演出での初登場であります。スタール夫人のインパクト抜群のビジュアルも素晴らしい。こんなにも濃いフランスの歴史がまた一ページ……。