「コミックリュウ」08年11月号

月刊 COMIC (コミック) リュウ 2008年 11月号 [雑誌]

月刊 COMIC (コミック) リュウ 2008年 11月号 [雑誌]

石黒正数「響子と父さん」

 初老のお父さんと、それを煙たがりつつもやっぱり親子の情がある響子さんのお話。微妙に不器用で、哀愁を感じさせて、ジェネレーションギャップありまくりで、非常に良い感じに「おっさん」しているお父さんが実にキュートであります。
 二人のやりとりがくすりと笑えて、そして実にしっとりと心に沁みて、この作品も実に巧いなあ、としみじみ。

アサミ・マート木造迷宮」第14話:ガチャガチャ

 子供達と一緒にガチャガチャに興じる旦那さんとヤイさん。実に微笑ましい光景ですなあ。そしてサエコさんまで混じって。つまんないモノしか出ないガチャガチャですが、そのチープさが実に心温まるエピソードでありました。

坂木原レム「フルイドラット」File.5:Fluidrat

 少しづつ明らかになっていくネズミ人間の恐るべき秘密。想像以上に重くて大きな設定でありました。外にいるミズキやアルミのような外にいる者達も同じような能力を持っているとするなら、これからの展開に波乱と悲劇が予想されますな……。

いけ「ねこむすめ道草日記」第6話:色々着替えて道草

 「小袖の手」によるエロ! ――とおもいきやしっかりオチがつきました。このオチを分かった上で色々やっていた河童は全く以て変態ですな!

つばな「第七女子会彷徨

 今月は2本立て。おバカな女の子達でくすりと笑わせて、ちょっと心温まるエピソードで締め、と毎回実に達者であります。死ですらあんま深刻にならずに受け止められちゃう世界というのは面白いなあと思う反面、ある意味恐ろしい世界だなあ、と。こういう独特の世界観もまた魅力的です。