つじ要『論理少女』1巻

論理少女(1) (シリウスKC)

　即興で問題を作り合い、その勝敗を競うというゲームが全校生徒の間で行われている高校。そこに転入してきた主人公と、極端なまでに論理的であることにこだわる少女との出会いで始まる物語。

　禅問答から発達したという「津隠問答」で勝負する主人公達ですが、この「津隠問答」、名前だけ聞くと難しそうな感じを受けますが、中身はロジックパズルというか、頭の体操というか、そういった感じの結構ライトな感じの出題合戦。主人公達と一緒になって解こうとするとかなり頭を使います。

　この問答を中心に据えて、ギャンブルバトルなどに通じる骨子を備えた物語でありますが、勝負の駆け引き等ではなく、あくまで問題のロジック部分に焦点が絞られているのがポイント。あくまで問題をどう解くか、その問題に穴はないかという理詰めの勝負はなかなかに新鮮。

　「だったら津隠問答で勝負だ！」的に校内のいろんな所でこの勝負をすることになりますが、勝負の報酬が微妙に高校生レベルで落ち着いているので、何だか全体的に微笑ましい雰囲気が。ヒロインである芝いつきも、論理的であることを追い求めて、ちょっと融通の利かないアンバランスな言動が可愛らしい。

　色々と荒削りな感じはありますが、新味のある作風なのでこれから先の展開や他の作品も期待したいなあ、と。