「コミックビーム」08年11月号

コミックビーム 2008年 11月号 [雑誌]

コミックビーム 2008年 11月号 [雑誌]

上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」

 連載十周年記念ということでウエケンが表紙&巻頭カラー、そして三題噺ならぬ百題漫画に挑む! 読者や関係者から募った100の題材を22ページの漫画の中で全て反映させるという何ともまあ労力がかかる企画。ダジャレじゃねーか! とか無理矢理感溢れるものも多数ですが、それがまたバカバカしさを加速させていて実にくだらなくて(褒め言葉)素敵です。いやあ、本当にバカバカしい!

入江亜季群青学舎」最終話:本日はお日柄も良く

 担任教師の下に身を寄せている女生徒二人、その卒業式のエピソード。式をサボった二人に先生が教室で話した事がしみじみといいですなあ。実に感慨深く、それでいて明るい巣立ち。最終回に相応しいお話でした。
 「群青学舎」は終わってしまいますが、次回作は「Fellows!」で長編ということで、そちらにも期待。

唐沢なをき「漫画極道」第31話:巨匠病

 雑誌掲載直前になって自分の作品の出来に納得できない、と言い出す新人作家。やがて自分にはいい作品を生み出すための環境が整えられていない、編集者が無能だ、などと言い始めて――
 今回もまた実に生々しいお話で。いやー、まあ何よりも先ずきちんと作品を世に出して評価を重ねることが大切ですよね、と。

タイム涼介アベックパンチ」第22話:それに似ていて、もう少し光る服。

 いい感じになっていくイサキとメバル。実に初々しい感動に満ちております。それによって前に進み始めた二人が初試合でどういう結果を見せるか。一方、コルビーナを失ったヒラマサ本人とその周辺にも動きがあって、こちらも気になるところ。

宮田紘次ききみみ図鑑」第7話:クロウタドリの旅

人が住まなくなった地球を調査しにきた二人の女性。合理的であることを愛する女と、無駄なことも含めて自分の好きなことを探す女。二人が降りた地球で見つけたのは――。今回はSF調のお話、爽やかな後味、ということで色々な話が描ける人だなあ。女の子の描き方もどんどん可愛らしくなっているような気がします。
 次回が最終回、ということですが、こちらも「Fellows」での連載が決まっているのでそちらに大期待。